2015年5月4日月曜日

「自然と共生する農法のお話」@大阪十三(4月18日)のメモ①岡本よりたかさん編

Facebookでお知らせがあった4月18日(土)の「たくさんの人に知ってもらいたい自然と共生する農法のお話」(by 岡本よりたかさん・三浦伸章さん)の講演会で十三まで行ってきました。

私の周囲はいつかは自然農をやってみたいという人が多いですが、私もいつか実現したいと思っています。

当日は、大阪だし、街のど真ん中を歩いてるのが似合うような雰囲気の参加者が多かったのですが、主催者が実際に自然農をされてる方、と聞いたときは3~4割の人が手を挙げているように見えました。

1:30~  岡本よりたか氏「自然に寄り添う農の勧め」
2:30~  三浦伸章さん「自然農法でプランター栽培や家庭菜園で楽しみましょう」
4:00~ 座談会・質疑応答

岡本よりたかさん(FBから拝借)
ということになっていますが、おふたりとも自然農法実践のプロとして、理論や体験談満載。セミナールームだったので、上の写真のような実演はナシでしたが、すでに自然農法に手を付けている方も、ベランダのプランターで始めようとしている方も、すぐに役立ち、今後もずっと有益となる情報たっぷり。

当日は配布資料ななかったので、スライドの写真を撮ってもいいということで、できる限り撮影したのですが、メモしたいことも多かったので、追いついてないところがありますが、とりあえずおすそ分け。お二方とも内容が非常に濃くて、スライド数も多かったので、この記事ではまず岡本よりたかさんのレクチャーのメモを入れていきます。

岡本さん、きょうは理論的なこと、基礎的なことを話します、との切り出し。人に教え始めた頃は、とにかく実際に土を触って実践していけば誰でもできると話していたそうですが、そうは行かない場合があるとわかってきたとのこと。

つまり、土壌微生物や生物学などに関しての基礎知識をしっかりもってないとダメになってしまう場合があるらしいです(岡本さんはこういうことの専門知識があるわけです)。

農業の本は捨てろといつも言われてるそうで、そういう本はやり方しか書いていない、つまり農薬などの使い方などを教えているから、と。(そういえば「畑の達人」という本を持ってますが、農薬は出てこないものの、化学肥料はお約束のように出てきます。)

でも、太陽と土と水さえあれば植物が育つというのは、話を聴いていると本当に実感します。とりあえず、スライドをざっと見れば、農業実践中の方にはそれだけで納得できることが多いはず。(文字起こしはしていません。)

メカニズムをわかってやっていると、同じ場所に毎期同じ作物を植える「連作」をしても全然問題起こらないというのも理解できます。

画面上をClickすると、少し大きめの表示になり、次の画像に移ります。





ミネラルが少ないと、バランスが崩れて作物が病気になりますが、ミネラルというのは元々微生物が作ってくれるからわざわざ与える必要はないとのこと。化学肥料を与えすぎると、微生物が狂って病気になるのでバランスが崩れます。

肥料をやめると土は戻るし、連作もできます。



植物の細胞には細胞の中の「細胞水」と細胞と細胞の間の「自由水」がありますが、化学肥料は水が一緒に入るので、自由水が増え、どんどん膨らんで水っぽい野菜になり、野菜が腐りやすくなるそうです。細胞水は作物を乾燥させても中に残っている水です。

微生物の環境のため、嫌気性菌・好気性菌のバランスが大事なんです(ぬか漬けみたいですね)。

自然農は足し算の農業。太陽、水、空気があればいい。
根粒菌は空気中の窒素を捕まえることができます。

菌(微生物)を増やすと、勝手にバランスがとれるので、有機性のもの(雑草の根、枯れ葉、土壌動物など)を与えること。

ここに書いてある20~30度というのはプランタの場合。畑は勝手に調整します。

土がカチカチだと空気や水が通らないので、土を掘り起こして柔らかくします。
雑草をとるときは、根っこぐらいは残すほうがいいそうです。

ミミズは有機物があれば食べようとして増えます。そして、一次分解のメカニズムで、朽ちるときは次世代のためにガスを出して虫を呼びます。(父が遺した長年の無農薬畑を耕したら、ミミズがウジャウジャいました。所有してなかったとはいえ、農家に返さざるを得なかったのが未だに残念。)

有機農業では肥料を与えすぎるため虫が来すぎる傾向があります。
ここに書かれているてんとう虫騙しというのはオオニジュウヤホシテントウのことです。

就農して自然農などを始める人は、耕作放棄地などを入手する場合も多いそうですが、よりたかさんも石が多い土地では開墾に1年から1年半ぐらいかかったそうです。

土というのは、砂に有機物がからまったもの。
黄色い土でも2年ぐらい放っておくと、微生物が元に戻してくれるそうです。






土の表面10cmをいかに豊かにしていくかという問題。

農薬を使うといい虫が先に死にます。
有機農業といっても、遺伝子組み換え作物などを作るなら、化学肥料のほうがまだましといいます。

また、有機といっても鶏糞や牛糞は鶏や牛が化学飼料を食べさせられているので、有機肥料とはいえず、作物にその影響が出ているともいいます。

固定種、在来種を売る種苗店のリンクはこちら:




机の上で腐らずミイラ化するような野菜というのはミネラルが多いそうです。腐っていくのは水が多いから。

キャベツなどは小さい方が味が濃いとか。他の野菜ならそれを実感することが多いですが、キャベツがそうだというのはちょっと驚きでした。しかも野菜というのは色が薄いほうが美味しいそうです。

消費者受けするように、ホウレンソウなどは、出荷前に窒素を増やして一気に濃い色にしているそうですが、美味しいのは薄い色の野菜だとか。(この話を裏付けるようなサイトをみつけましたσ 『ほんとの野菜は緑が薄い』その3

また、小さいミミズが多い土だといい野菜が育っていくそうです。

本葉が出たら、根の長さで味は決まるそうで、その後いくら頑張っても無駄だとか。


なお、岡本よりたかさんは東京でパン屋さんも経営されていて、農業だけでの収入というのは限られてくるから、何を売るかということを決め、パンを作るために小麦農家になることを選んだとのこと。

後半は三浦伸章さんのお話。生命の仕組みと自然農法をさっとおさらいして、プランタや家庭菜園の実践でそのまま使えるようなお話です。



「新説異説」 岡本よりたか 農業と食糧支配




0 件のコメント:

コメントを投稿