2012年11月15日木曜日

告示日までにやっていいこと、いけないこと(公職選挙法という非民主的な束縛)

11月14日に東京・中野で急遽開かれた「宇都宮けんじさんと共に、人にやさしい都政をつくろう」キックオフ集会、予想を超えて1400人の人が詰めかけました。

Ustreamのアーカイブ、後半最後の00:50:38から約9分間、弁護士の田中先生が、今から告示日である11月29日までにやっていいこと、いけないことについて公職選挙法の観点から助言して下さいました。

我が国の公職選挙法というのはこれほど非民主的だったとは知りませんでした。


東京を変えるキックオフ集会・宇都宮けんじさんとともに(後半)

Video streaming by Ustream

都政に限らず、今後応援したい立候補者がいる場合、既得権益層が操作するマスコミ報道と、我々ネット上の情報発信者であるマイクロメディアが闘う上で重要なアドバイスです。

[書き起こしここから]
00:50:38
[弁護士の田中先生登場]

弁護士の田中と申します。

また弁護士が登場しました。なにせ候補者が弁護士ですからしようがないと思います。

あの、法曹界という古い言葉になりますが、法曹界の中では、宇都宮健児さんの実績であるとか考えであるとか、あるいは人柄、知らない者はいません。もし知らなかったらもぐりでしょうね。

ただ、法曹界ほどには一般都民の皆さんにはまだまだ知れ渡っていない。だから知らしてもらわなきゃいけない。その関係で、今から都知事選の投票日まで、何が出来るかということをお話ししましょう。

上原さん[ひとつ前の話し手、元国立市長]が言われましたように、この国には公職選挙法というまことに厄介な法律がありまして、選挙のときの選挙運動や政治活動にあれこれ規制をかけている

その関係で、何を出来るのか、ということをはっきりさせることが重要になると思います。

00:51:35
きょうお配りされた配布資料の中に白いチラシで「宇都宮健児さんを応援したい」という資料が入ってます。私が作ったんじゃないですが、これは大変よくできています。

ですからこれをよーく読んで頂いて、これを基本にしてください。

まず考え方では、時期を2つに分けて考えます。区切りは告示日、11月29日です。この日、宇都宮さんたち候補者が立候補を届け出ますこの届け出のから投票日の12月16日の前日の12月15日までが選挙運動期間17日間です。これが公職選挙法では、投票を訴える「選挙運動」はこの選挙運動期間しかできない。これが公選法の縛りなんです。残念ながら。00:52:23

じゃあ、きょうから29日までの15日間は何もできないのか。とんでもありません。都政を変えようというのは、これは「政治活動」です

そして、言論・表現の自由が憲法で保証されているこの国では、たとえ選挙の直前であっても言論による政治活動は自由にできます

みなさんが作る例えば勝手連という団体、あるいは個人で、たとえば「人にやさしい東京を」とか「平和と脱原発の都政をつくろう」とかのチラシやいろんな文書を作って配布するのは自由です。そのチラシ文書に宇都宮けんじという名前を書いても問題ありません

きょうの資料の中に、シンボルカラーオレンジチラシが入ってます。参考にしてください。ここには「東京を変えるキックオフ」とか「宇都宮けんじさんと共に人にやさしい東京を」とか、あるいは「私たちの手で変えよう」とか書いてあります。これは何の問題もなく作れて配布できるチラシです。

これを作ったのは「人にやさしい東京をつくる会」、この主催団体ですが、みなさんが個人で作っても、みなさんがサークルで作っても、なんの問題もない。 ぜひ参考にしてください。00:53:39

ただし、そういうチラシを作る時に、ふたつ注意をして下さい。

①ひとつ。選挙運動、即ち、投票を訴える活動は告示(=11月29日)までできません。ですから、「宇都宮さんに投票を」とか「12月16日の投票日に」とかは書かないでくださいこれを書くと投票依頼とみなされて、事前運動とみなされる可能性があります。残念ながらこのタブーだけは守ってください。守っても意味は通じるはずです。そこを信頼しましょう。 00:54:16

②ふたつめ。候補者の名前を書いた文書は、それを告示の後に撒くと、それを選挙運動の脱法文書、つまり法律を免れる文書とされる危険があります。ですから個人名を書いた文書は告示前までに撒ききって下さい

ときどき相談を受けて困るのがあるんです。残っちゃったんですかねぇ、告示の前夜に名前を書いたチラシを大量に撒きたいんだがどうすればいいんだろう、と。ひとつ間違うと脱法文書による事前運動とされかねませんのでこのあたりは注意したい。

どうすりゃいいか。ビラ早く撒いちゃえばいいんですよ。ぜひその方向でお願いをします。 00:55:01

ビラじゃなくて、ホームページやブログはどうか。さっきの「宇都宮さんと共に人にやさしい都政を」といった内容をホームページにアップすることは、名前や写真が載っていてもなんの問題もありません。これはチラシの配布と同じ意味で投票依頼に当たらない限り自由にできます。

たとえば本日のこの集会、これは、「政治活動」の集会であって「事前運動」ではありません。そして皆さんいろいろ苦労されて、タブーを守って頂きましたんで、全然逸脱ありません。

だから、たとえば今日のこの集会を録画して、あるいは写真に撮って、もし主催者がいいとおっしゃるのであれば、ホームページにアップされても、公職選挙法上の問題はなんにもない。ここまでやれるんですよ。

それから、ホームページの関係より、候補者の名前を告示になってからアップすると選挙運動にされかねないんですが、告示の前にアップしたホームページをそのままにしておくことは、問題ありません

ですから、ホームページやブログを使う場合の秘訣。告示の前にできるだけ充実させて全部載せてしまうこと。これをぜひ頑張ってください。未だ時間があります。

その、ビラやホームページでなくて、集会を開いたり街頭で演説したりすること、投票依頼に当たらない限り、完全に自由です。それは、だってこのきょうの素晴らしい集会が見本じゃありませんか。ぜひ各自でやって頂きたいと思います。

告示の29日から選挙運動の期間に入ります。告示の後は、公職選挙法によって選挙にうるさい規制が加えられます。後半に配られる選挙運動用のチラシやハガキ、ポスターなどは確かに制限されます。

ですから、自前のポスターを貼り出すというわけにはいきません。したがって、告示前に候補者名の入ったポスターは、残念ながら告示日までに剥がしてください

チラシやポスターなどの配布は、確認団体になるこの、人にやさしい都政をつくる会が行います。こうした活動をやろうとする人はぜひボランティア・スタッフとしてこの会の活動に参加して下さい。そこで十分にやれます。

では個人ではできないのか。色々あります。宣伝カーを使っての選挙活動などはできませんが、地域や職場で身内が参加する学習会などを開く事。選挙を目的としない集会の合間に演説を入れることなどは自由にできます。

戸別訪問は禁止されていますが、訪問のついでに話をしたり、出会った人に話をする、「個々面接」とか「ささやき」とかいうんですが、(笑)これは十分できます。

あの、告示の前は、選挙や政治について語れるのに、告示になって投票日が近づくと何も話せなくなると、これは民主主義じゃないんですよ。(拍手)

ですからね、一応戸別訪問にならないように注意しながら、旺盛に政治や選挙について語って、候補者を押し出して頂きたいと思います。電話での選挙運動は最も簡便な選挙活動で、誰でもできて全く規制はありません

最後に手紙やメール。投票を依頼する選挙運動で禁止されているのは頒布(はんぷ)する事です。頒布というのは不特定または多数に配る事

特定の少数に配るのは禁止されていませんので、メールも含めて工夫をして頂きたいと思います。

私たち、宇都宮さんに共感する弁護士、皆さんの活動をサポートしながら、選挙活動の自由を、いや政治活動の自由を広げて、そして新しい都政をつくっていきたいと思います。ともに頑張りましょう。ありがとうございました。
[書き起こしここまで]

後で、Q&Aが作成されて配布されるそうです。
宇都宮さんの応援カラーはオレンジと明るい緑、こんな感じです。(司会者のスカーフ参照。)


私たちはずっと中世の世界にでも住んでいたようです。支配階級が用意した民主主義のお伽噺をみながら飼われている民として。東京が常に全国に影響するわけではありませんが、この都知事選は日本という国のゆくえを左右します。

このような人材がまだ手を挙げてくれるというのは、最後のチャンスかもしれません。

宇都宮さんの人となりがわかりやすい、2006年のNHKプロフェッショナルの動画を埋込みましたσ 東京に与えられた"宇都宮けんじ"というチャンス


弁護士、闘う―宇都宮健児の事件帖

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