2012年11月4日日曜日

本気で自然エネルギー! Earth ; Powering The Planet [動画と書き起こし]

米国公共放送の番組。明らかにプロパガンダだらけなのですが(50分の間に例えば気候変動という表現20回、二酸化炭素という言葉が25回使われています)、日本のマスコミが報道しない世界情報もてんこ盛り~。(米中が協力する時代に日本がどういう立場か理解しておいたほうがいい。番組では当然ながら属国の下僕など全くスルーだぁ!)



ドイツなどからやってくる個人や基礎自治体による「エネルギー自治」という発想が主流になって欲しいですが、どうしても20世紀の続きをやると、大規模云々が出てきます。利権と強欲が入ります。

ブラジルや中国のような国が登場するので、ある程度やむを得ないかもしれません。(ケイザイがどーのって付いていないと納得できない日経やWSJ信者レベルだと、こういう構成になっていないと視ないかも。)

が、国家や寡占企業に支配される構図はもう脱却したいところ。THRIVEの内容を頭においてご覧ください。

[書き起こしここから(まだノーチェック、未整理です)]
世界の人口は70億人を超えました。
エネルギー消費量は今後15年間で25%以上増加します。
2050年までには2倍近くになるとも言われています。

私たちには、本当はどの程度のエネルギーが必要なのか、そしてそれをどうやって手に入れるのか、これは地球の気候にも大きな影響を及ぼす問題です。

再生可能エネルギーも有望視されていますが、ほとんどの大国は未だに19世紀のテクノロジーに依存しています。

「安価なエネルギーに頼る時代はもう終わったのです。」

省エネ、効率化を進めれば、2030年にはエネルギー需要を30%削減できるとの試算もあります。

地質学者リチャード・アレイ@海辺
「では、どうやったらそれを実現できるのでしょうか。技術的な問題だけでなく私たちが、経済、政治、国家安全保障、雇用など、あらゆる分野でどういう選択をするのかが大きなカギになります。

私は科学者であると同時に、親であり、大学教授でもあります子どもたちの将来はやはり気がかりです。これまで南極大陸の変化や気候の歴史を研究するとともに、地球がどれだけの再生可能エネルギーを供給できるかの数値化に努めてきました。」

地質学者のリチャード・アレイは現在のエネルギー需要が地球温暖化を引き起こしていると確信しています。しかし解決策はあると考えています。

それらは風の中に、ふりそそぐ太陽の中に、発明家やエンジニアの頭の中に存在しています。

方針さえ決まれば技術的な問題は解決できます。

一国のエネルギーインフラの構築には数十年を要します。

アメリカは対応できるのか、疑問視する人もいます。

”エネルギー政策は50年という長い時間で取り組む問題なのに、アメリカの政治家ときたら選挙がある2年周期で考えているのです。”


[リチャード・アレイ]
それでも私は今よりより多くの人たちが、今よりもクリーンで持続可能なエネルギーを使って、より豊かな生活を送るようになることができると楽観しています。

2:32
”本気で自然エネルギー!
 Earth: Powering the Planet”

2:41
制作 Passport Knowledge Productions (アメリカ 2012年)

地球には枯渇することのない再生可能エネルギーが満ち溢れています。

海には波や潮の満ち引きの力があります。

光合成をおこなう植物は太陽エネルギーを蓄えています。

また、風力を使うエネルギーも注目を集めています。

中でもエネルギー源として最も強力で有望なのは、私たちの毎日を明るく照らす太陽です。

地球の表面に到達する太陽光はおよそ12万テラワット。それが世界に万遍なく行き渡ったら、1平方メートルあたりおよそ240ワットになります。

リチャード・アレイがこの数字をわかりやすく説明します。

この広大な砂漠の一区画に立って、両手をこんな風に広げ、もうひとりの私も同じことをします。それぞれ60ワットの白熱電球を2つずつ、合計で4つ持つと、1平方メートルあたり240ワットになります。

大量のエネルギーです。世界じゅう昼も夜も夏も冬も平均してこれだけの太陽光が地球のエネルギー源として利用可能なのです。

ではどうすればこの膨大な太陽の力を実際に使えるエネルギーに変えられるのでしょうか。

鏡が太陽光を反射するのは誰でも知っている事ですが、反射した太陽光を集め、液体が入ったタンクに当てたらどうなるでしょうか。

液体が蒸気を発生し、タービンを動かして発電します。これが集光型ソーラ発電の仕組みです。

このアイデアは新しい物ではなく1910年頃には既に考案されていました。

考案したのはアメリカの発明家、フランク・シューマン。安全ガラスなどを発明したシューマンは太陽光を金属パイプに集中的にあて、中の液体を熱し、蒸気タービンを駆動する装置を設計をしました。


しかし当時はエネルギー源といえば石炭という時代。支援者を見つけることができなかったシューマンは、1912年、エジプトへと旅立ちます。5:07

シューマンは太陽光を集めるために、カーブした鏡を使いました。試作品の発明器でナイル川の水を綿花畑へ運ぶ事に成功します。

しかし、この発明は時代の先を行き過ぎていました。

政府の支援も得られず、第一次世界大戦の勃発とともに幕切れとなります。

[スペイン・セビリア]
それから1世紀、スペインではシューマンが考案したのとよく似ている集光型ソーラ発電機が活躍しています。

ここは、世界で最も早く始動した商業用ソーラ発電施設のひとつです。シューマンが発明したのと同様、カーブした鏡をつかって液体が流れるパイプに太陽照射を集めています。

50メガワット以上の発電量を持ち、およそ2万6000世帯に電力供給が可能です。

今後さらに大型のプラントを増設する予定です。

このプロジェクトを後押ししているのはスペイン政府。政府は集光型ソーラ発電で将来的には500メガワットの発電を目指していて、25年間の固定価格買取り制度を導入しました。

これを受け、エネルギー会社はこぞってソーラ発電の開発に乗り出しました。その後、政府の政策変更や財政危機による打撃も受けましたが、テクノロジー自体は順調に機能しています。

セビリアのプラントを設計しているアベンゴア社は世界最大規模のソーラ発電計画レザーテックプロジェクトに参画しています。

ヨーロッパや北アフリカの企業が参加するこのプロジェクトは、ヨーロッパと中東で大規模なエネルギー構想を描いています。7:04

[モロッコ]
モロッコは産油国の多い北アフリカに位置しながら、石油などの化石燃料資源がほとんどありません。そのかわりに、太陽、砂漠、無人の土地はふんだんにあります。

モロッコ政府は中小企業や個人に、中小規模のソーラ発電装置の利用を奨励してきました。

サハラ砂漠のはずれでは、テントのてっぺんにソーラパネルを設置している光景も見られます。

レザーテックプロジェクトの構想はもっと大規模です。各地への集光型ソーラ発電所の建設、ソーラーパネルや風力タービンの設置、さらにはヨーロッパへの電力供給も含まれます。

サハラ砂漠でのソーラ発電によって、2050年までに北アフリカの電力需要の80%、ヨーロッパの需要の15%を賄う事ができると見積もっています。

モロッコは2、30年後にはエネルギーを自給自足できるようになるかもしれません。このテクノロジーが生み出すエネルギーは世界の貧しい国々に電力と収入の両方を与える可能性があります。

シューマンが100年余り前に考案した装置の現代版は、人類のエネルギー需要を満たすのに大きな役割を果たすかもしれません。

およそ1600平方メートルの砂漠から、太陽エネルギーの10%を集めるだけで、現在人類が消費するエネルギー量のおよそ2倍を供給することができる計算です。

太陽エネルギーの活用法は他にもあります。

光合成によって成長する植物を利用するバイオマス発電です。

[エネルギーの自給自足]
人類が現在使用しているエネルギーのおよそ11倍のエネルギーを供給できると推定しています。

アメリカでは、乗用車、トラック、バスなどの自動車が1000人当たり800台以上存在します。

発展途上国が同じ道を辿れば、地球上で600億台の車が行き交うことになり、ガソリンやディーゼルの消費で二酸化炭素が年間120億トン増える計算。それも大量の石油があればの話です。


しかし、こうした心配とは無縁の国が1つあります。

9:35
[サンパウロ州研究支援財団]カルロス・クルス
もし、なんらかの理由でこの世界から石油が一滴残らずなくなったとします。それでもこれまでどおり車が走行を続けられる唯一の国がブラジルでしょう。

昔からそうだったわけではありません。
1970年代のオイルショックでは他の先進国と同様にブラジルでもガソリン不足が起きました。

当時の軍事独裁政権は画期的な決断を下します。軍事独裁政権というものは、多くの点で好ましくありませんが、当時のブラジルの軍事政権は科学技術の発展が国の発展に役立つということを理解していました。

1975年、ガソリンに替えてエタノールを使用する国家計画が首謀されました。軍事政権ですから、国家主義的野望もあってやったことでしょう。

物理学者のジョセ・ゴールデンベルグは農業の とともにこの計画に取り組み、輸入ガソリンに替えて、サトウキビから作ったエタノールを使う事を提唱しました。

人々はガソリンに代わる選択肢があるとしって驚きました。それまで車の燃料といえばガソリンでしたからね。10:47

[(話)サンパウロ州研究支援財団 カルロス・クルス]
サトウキビから、エタノールなどのアルコール類を作ることは、人類が昔からしていた事で、特別新しい事ではありません。


雨と太陽に恵まれたブラジルですが、燃料の自給自足を確立するためには、政策と投資が必要でした。

”政府の意思決定が功を奏しました。単に天然資源に恵まれただけだはなくて、政府はじっくり考えて計画的に必要な条件を整えていきました。

もちろんはじめのうち、エタノールは高価でしたが、それは政府も理解していました。みんな新しいテクノロジーが開発された当初はコストがかかるものだとわかっていました。”11:30

ブラジルの政策は成功を収めます。


”それから10年間、エタノールを100パーセント使って走る車は世界でブラジルしかありませんでした。そしてそのために
エタノールの流通システムが完備されました。”


”1980年代末には自動車の大半が純粋エタノール車になっていました。”

自動車会社は純粋エタノール車の量産体制を整えます。12:01

GMブラジル
エンリケ・ペレイラ
"当時、我が社が販売する車の97%はエタノール車でした。"

その後、石油価格が下落に転じたため、エタノールに補助金を出し続けることは、賢明な政策ではなくなります。

しかし、サトウキビの主要な生産国であるブラジルは、ガソリンとエタノールのどちらでも使える自動車の開発を模索し始めます。12:28

エンリケ・ペレイラ
"1980年代終わりからどちらの燃料でも走行可能な車を検討し始めましたが、当時はそのようなフレックス燃料車を走らせる技術は私たちにはありませんでした。”12:40

どちらの燃料でも走れる新種のエンジンは80年代にアメリカで発明されていました。

しかし大量生産によるフレックス燃料車の第一号、フォルクスワーゲン・ゴルは、アメリカではなくブラジルで2003年に売り出されます。12:58

実はこの時もブラジル政府が後押しをしていました。



"前年の2002年、政府はフレックス燃料車を製造した会社に対して、減税を行う方針を打ち出していたのです。ブラジル政府の政策は、時に方向転換や変更はあったものの、しっかりとした成果をあげたのです。

人間が天然資源を計画的に活用した例だと言えるでしょう。


エンリケ・ペレイラ
"今現在、GMブラジルで製造している車はすべてフレックス燃料車です。”13:36

今、ブラジルの消費者には選択肢があります。コストは割高でもエネルギー量で勝るガソリンか、エネルギー量は劣るけれども低コストのエタノールか。

毎月、ブラジルで販売されている自動車の95%がフレックス燃料車です。13:54

ガソリンの代替燃料という観点からブラジルは非常にユニークな国といえます。ブラジルでは既にエタノールの使用量がガソリンを上回っています。14:07

これは小規模な実験ではなく、大規模な実験なのです。

ブラジルの研究者たちは、森林を破壊することなく利用されていない農地や牧草地だけを使って、バイオ燃料の生産地を10倍に増やせると言います。14:23

サンパウロ州研究支援財団
カルロス・クルス
”バイオ燃料が持続可能な代替燃料となるには食糧生産と競合させない事が大切です。14:33

そしてもちろん、環境破壊を引き起こさないことが絶対条件となります。”14:40

ブラジルでは、石油の輸入に依存していた時代から、エネルギーが自給自足できるまで順調に来たように見えるかもしれませんが、実際には紆余曲折を経てフレックス燃料車に辿りついたのです。14:57

終始変わらなかったのは、国家がその国固有の可能性や、天然資源を見据えてきたという点です。15:06


エタノール推進の立役者、ジョゼ・ゴールデンベルク は、重要な教訓を学びました。

元ブラジル環境相
ジョゼ・ゴールデンベルク
”方針を決めたらその方針を貫き通す勇気を持つことです。”15:20 

[風力発電について]
化石燃料からの脱却を歩み始めた自治体は、他にもあるのでしょうか。15:28

地元住民の抵抗という大きな壁を乗り越えて、風力発電の基地となった2つの地自体を紹介しましょう。15:36

[風力発電の町]

2つの町は一見大きく異なります。

[デンマーク サムソ島]
サムソはデンマーク本島の沖合に浮かぶ小さな島。

[テキサス州 ロスコ―]
もう一つはアメリカ南部の乾いた広大な土地。15:55

両方に共通しているのは豊かな風力です。

サムソ島では、風力発電量が消費量を上回り、余剰電力をデンマーク本島に送る事もあります。16:07

また、テキサスの風が作る電力は、隣接する他の3つの州を合わせた発電量に匹敵します。

どちらの自治体も地域の協力を得ることに成功してきましたが、住民の抵抗は多くの再生可能エネルギー・プロジェクトの障害となってきた難題です。16:25


しかし、粘り強い説得をすれば実現不可能ではないのです。16:31

サムソ・エネルギー・アカデミー代表
ソーレン・ハーマンセン
”私はソーレン・ハーマンセン。サムソ・エネルギー・アカデミーの代表です。サムソはデンマーク語で「出会いの島」という意味があります。デンマークのちょうど真ん中に位置するからです。16:46

2011年、当時デンマークの気候変動・エネルギー相を務めていたリュッケ・フリーズは、サムソ島を訪問しました。

この自治体はどうやって地域の協力を得ることができたのかを知るためです。17:02

前気候変動・エネルギー相
リュッケ・フリーズ
サムソ島では何年も前に化石燃料への依存から脱却することを決めました。

その意味でこのプロジェクトは生育的な物だといえます。7:13

以前のサムソは小さい観光の島で、夏場は賑わうものの冬は閑散としていました。17:22

今では風力タービンを見学する人や、住民が風力エネルギーを歓迎するに至った経緯を知りたいという人たちが島を訪れます。17:31

サムソが新エネルギーに関わり始めたきっかけは、デンマーク政府が主催した全国コンペで、化石燃料からの脱却をめざす地域に選ばれたことでした。

しかし実現に向け計画を立てたのは ソーレン・ハーマンセンのような情熱とスキルを持った市民でした。

ソーレン・ハーマンセン
”最初、このプロジェクトへの大半の住民の反応は、やってくれてもいいけど自分は関わりたくないという対応でした。"


サムソ島の住民は歴史を尊重し、伝統的な生き方を大切にしています。18:05

我々は徐々に住民の了解を勝ち取りました。わかりやすくて資金調達も容易なプロジェクトを立ち上げることができたからです。18:14

結局のところ、住民にとってどんな旨味があるかというところがカギになるのです。18:20

島の住民が皆、強い信念を持った理想主義者というわけではないですから。18:25

島で育ったソーレンは近隣住民を説得し、タービン設置の同意へこぎつけました。18:32

それが成功すると、他の島民民にもその話が広まったのです。

酪農業を営むヨルゲン・トランベルクも、最初はためらっていましたが、投資をして自分の土地にタービン1機を設置しました。

それがうまくいくと、彼は洋上風力タービンのうち1機の共同所有者になりました。18:52

サムソ・エネルギー・アカデミー代表
ソーレン・ハーマンセン
”農業を営む人というのは、創意工夫が身に着いていて、変化に対応できるよう備えているものです。19:00

ですから彼らは将来性があるとわかればきちんと目を向け、自分にできるだろうかと考えます。そして仲間が同じことをしているのを見たら、素早く反応するのです。19:12

ちょっと保守的な人でも、彼らにはやり遂げる実効力があります。自由を愛し、自由な考え方を持っている人たちなのです。"19:22

アメリカ南部のテキサス州でも、風力発電がどんな利益をもたらすかを理解してもらうことで、地元の理解が得られました。19:31

先頭に立ったのは、地元で長く綿花栽培に携わってきた農家のクリフ・イサリッジでした。

ロスコー・ウィンドファーム
クリフ・イサリッジ
”私は本当に根っからの農家です。40年以上農業をやってきましたからね。19:46

ここは大規模風力発電所、ロスコー・ウィンドファームです。19:52

発電量は1時間におよそ780メガワット。26万5千世帯分の電力を賄えます。”

原油資源が無く不況に喘いだロスコ―の町ですが、風力には恵まれていました。20:09

クリフ・イサリッジ
”この土地を手に入れた当初、風にはなんの価値もありませんでした。20:14

それどころか、水分が蒸発してしまう為、風は深刻な害をもたらすものだったのです。20:20

クリフもデンマークのソーレンと同じく、近隣住民に電力タービンの受入れを説得しました。2:28

”みんながまず知りたがるのは、コストがいくらかかるか。コストはゼロです。

次にどんな弊害があるか。せいぜい農地の3~5%が使えなくなるだけで、あとは何にでも好きに使えます。

そしていよいよいくら儲かるのかという話になるわけです。”

クリフは独自の調査で割り出した数字を専門家に確認しました。


”それから私は、ロスコ―の土地所有者教会に出向き、1エーカー当たりの収入が30から40ドルだった土地で、その3倍ほどの収入が見込めると説明しました。”21:05

風力発電用に権利をリースするだけで、タービン1機につき年間で1万から1万5千ドルの収入になるのです。21:14


始まる前はなんの保証もありませんでした。それでも、地域住民のおよそ95%がウィンドファームを受入れてくれました。21:25

サムソでもテキサスでも一般市民に経済的利益がもたらされました。投資家や土地所有者だけではなく、地域社会全体を潤したのです。21:38

”風力発電のお陰で、若者たちには大学や専門学校を卒業した後、地元に戻って就職する道も開かれました。まさに天からの贈り物ですよ。”21:55

ロスコ―学校区の場合、この天からの贈り物が増収に繋がりました。

[ロスコ―学校区 教育長
キム・アレクサンダー]
”風力発電の恩恵を受ける以前の2007年にはここの不動産価値は6500万ドルほどでした。それが、ウィンドファームの開設後、4億6500万ドルまで跳ね上がったのです。

22:22
ロスコ―学校区は10年間で1000万ドル以上を受け取ります。これだけの歳入が増えたことで使える予算が増えました。

古い校舎の改築や、コンピュータールームの新設に当てられます。22:35

ロスコ―・ウィンドファーム
クリフ・イサリッジ
"これは地方の農村でもこういうことができるんだという見本ですよ。以前の我々と同じように苦しんでいる地方自治体も、活気と繁栄を取り戻すことは可能なんです。”

オイルショックはブラジルをエタノール生産に乗り出させ、造船産業が衰退しかけていたデンマークを風力タービン製造へと向かわせたのです。23:01

[前デンマーク気候変動・エネルギー相
リュッケ・フリース]
”いまやデンマークの輸出の10%はクリーンテクノロジー関連。ですから、経済にプラスになっている事は明らかです。”23:09

経済と環境は常に折り合いを付けていく必要があります。23:15
それはそれぞれの地域社会が時間をかけて取り組むべき問題でもあります。23:20

取り組む価値はあるとクリフは信じています。23:25

ロスコ―・ウィンドファーム
クリフ・イサリッジ(話)
”学校も教会も市民団体も企業も、誰もが恩恵を受けられます。ロスコ―の人口も増え、経済もより振興すると期待しています。”23:39

”祖父は、もし風を産むことができれば金持ちになれるのに、とよく言っていました。今思えば予言めいていますが、風を売れる時代が来るなんていったい誰が想像したでしょう。”23:51

風力はサムソ島とテキサスにエネルギーの自給自足をもたらしました。23:57

化石燃料をクリーンなエネルギーに置き換えたことで得られるメリットはこれだけではありません。24:02

[前デンマーク気候変動・エネルギー相
リュッケ・フリース]
忘れてはならないのは、気候、そして人々の健康にもいいということです。24:09

ロスコ―・ウィンドファーム
クリフ・イサリッジ
”ロスコ―には尽きる事のない資源があります。途方もなく価値の高い資源です。石油やガスと違って永遠に枯渇することがなく、環境も汚染しないのです。24:24

化石燃料を燃やすと、汚染物質が大気中に放出されます。24:30 
さらに二酸化炭素も放出され、こちらは大気中に長く留まって地球の気候に影響を催します。24:38

南極やグリーンランドの氷河の調査で、これまで地球は何度か突然の気候変動に見舞われてきたことが明らかになっています。

このまま化石燃料を燃やし続ければ、地球の気候変動リスクを高めてしまうかもしれません。私たちは慎重に行動するべきでしょう。

[気候変動のリスク]

[地質学者 リチャード・アレイ]
”地球の気候システムは規則正しいもので、太陽光や二酸化炭素が少し増えると気温が上がります。 25:10

これは過去40万年の気候変動のパターンです。25:15

氷河の氷に記録されている気候に関する様々な情報を分析してわかったものです。25:21


気温の規則的な上がり下がりには、地球が太陽の周りを周回する軌道の変化や、二酸化炭素などの温室効果ガスの変化が関係しています。

この気候変動をジェットコースターに例えてみましょう。25:38

このジェットコースターにのって、数十万年に渡る概ね規則的な気候変動のパターンを辿って行きましょう。25:48

ここはもっとも寒い時期、二酸化炭素濃度は180ppmまで下がります。

そして、徐々に暖かくなり、二酸化炭素濃度は280ppm近くまで上昇します。

再び、寒い時期180ppmまで降下して、また、温かい280ppmまで上る。これを繰り返します。
26:16

これが気候のジェットコースターの自然なサイクルです。26:20

しかし、この10万年に焦点を絞り、グリーンランドの氷河の記録を見てみると、気候は常にスムーズな上がり下がりを繰り返してきたわけではないことがわかります。26:35


”地球は時折り、ある種の臨界点に達し、それまでとは全く違った新しい状態へと突入します。過去10万年でそうした気候変動が20から30回起きています。それはまるで地球が気候のジェットコースターからバンジージャンプをするような感じです。27:00

直近で最大級の気候変動はおよそ1万3千年前。地球全体で暖かい時期に移行しつつあった中、北極地方が臨界点を超え、休息に寒い時期に逆戻りしました。27:19

アジアのモンスーン地帯が乾燥するなど、天気と気候の混乱は世界中に及びました。27:26


しかしその後、また大きな気候変動が起き、わずか10年ほどでグリーンランドの気温はおよそ10度上昇したのです。27:38

これは氷河の氷の記録に基づいた信頼のおける数字です。27:45

今日、どんな気候モデルを使ってみても二酸化炭素濃度の影響は比較的スムーズな曲線を描きます。上昇はしますが概ね私たちが適応できる程度の変動です。28:00

しかし地球の歴史は気候がいつもこのように振る舞うわけではないことを示しています。28:05

時にはジェットコースターからバンジージャンプをするように無茶苦茶で予測不能な状態になり得るということです。28:13

突然の気候変動は人に害を及ぼす危険があります。そんなことにはならないと思いたいのですが、確信はありません。二酸化炭素の排出が増えれば大きな変動を引き起こす可能性は高くなるでしょう。28:36

今私たちは坂を上り続けています。化石燃料を燃やし続けてきたために二酸化炭素濃度は390ppmを超えてしまいました。この先、これを制御できるのか、それとも脱線してしまうのでしょうか。そのような気候変動が起きる可能性に対して保険をかけたいのならば、一線を超える前にスピードを落とすことを検討すべきです。29:07

気候を制御しやすい状態に保つために一つの方策。それは大量の二酸化炭素を放出せずに、化石燃料を燃やす方法を開発することです。21世紀の緊急課題と言えます。29:24

これを達成するための最も革新的な取り組みは、古代文明発祥の地で進行しています。29:31

[クリーンエネルギーの新帝国]
中国は紀元前3世紀、秦の国の始皇帝によって初めて国家として統一されました。29:41

始皇帝は自らの墓を守るため、兵士や馬を模った兵馬俑を作らせます。29:48

兵馬俑は国家による支配が現世だけでなく来世も続くことを象徴しています。古代の驚異の遺物です。29:59

2010年に開かれた上海万博では、数々の国宝が展示されました。30:05

中でも一番の呼び物は秦の始皇帝の壮大な馬車でした。

しかし、上海万博では未来にも焦点が当てられていました。30:17

巨大な中国パビリオンの真ん中が丸々、再生可能エネルギーをテーマとした展示となっていたのです。30:26

二酸化炭素は間違いなく気候変動を加速させていて、クリーンエネルギーこそがその解決策だというメッセージがこめられていました。30:36

この中国の試みが単なるPRではないことをあるデータが裏付けています。30:42

2010年、世界のどこの国よりも多くの資金を再生可能エネルギーに投資したのは中国でした。30:51

アメリカのおよそ倍に当たる投資額です。30:54

中国はクリーンエネルギーの全分野に果敢に取り組んでいます。31:00

風力や太陽光の大きな発電施設も建設しています。31:03

アメリカエネルギー省のローレンス・リバモア国立研究所に所属する地球科学者ジュリオ・フリードマン。31:14

二酸化炭素を地下に貯める方法を研究しています。31:19

米中エネルギー共同研究の専門家でもあります。31:23

[米エネルギー省
ローレンス・リバモア国立研究所
ジュリオ・フリードマン]
”中国はクリーンエネルギーのあらゆる選択肢をカバーしようとしているんです。”31:30

その選択肢には中国が大量の採掘と輸出をしている石炭の新技術も含まれます。31:39

”中国は石炭の最大の産出国でもあり、消費国でもあります。すぐに手放すことは考えられません。31:47

[中国 西安]
西安は兵馬俑が発見された場所で、古くは中国の首都。シルクロードの出発点でした。32:02

今の西安は中国のエネルギーの未来を象徴する都市であり、その影響は地球全体に及びます。32:10

西安熱工研究院(TPRI)
石炭火力の研究を進めるTPRI、西安熱工研究院です。32:18

石炭は中国の4分の3、アメリカでも半分を占める電力供給源です。32:25

石炭の燃焼で世界の温室効果ガス排出のおよそ4分の1を占めます。32:32

[ジュリオ・フリードマン]
”石炭はアメリカという国を作った強力なエネルギー源であり、同時に土地や大気を汚染する汚れたエネルギーでもあります。しかし将来的にはクリーンで無害な燃料になり得ると私は考えています。”32:47

一見矛盾するようにも思えるクリーン石炭が現実のものになれば、中国だけでなく、アメリカや多くの途上国にとって、重要な意味を持ちます。32:59

TPRIは巨大な公益企業、可能国際電力が所有しています。可能国際電力は重要な研究所をクリーンエネルギー研究所に改名しました。32:12

”石炭発電は中国の発電の70%以上を占める主要な電力供給源です。”

研究所の新たな使命は、石炭をより安全でクリーンに燃やす革新的なプロセスと技術を開発することです。33:33


”現在石炭は世界の電力のおよそ半分を担っています。33:40そしてアメリカと中国が大気中に排出している物質の半分が石炭によるものなのです。33:45

ですから、石炭市場の仕組みや石炭技術の再検討無しに気候変動の問題は解決できません。中国は今、この問題に取り組んでいます。"33:56

”中国は1990年代初めに、クリーン石炭技術の研究開発に着手しました。”34:04

開発された技術は上海郊外にある実験施設で使われています。34:12

施設は可能国際電力が所有する巨大な石洞口第二発電所に併設されています。34:20

ここでは燃焼後回収という技術が使用されています。34:25

石炭をほぼ従来と同じ方法で燃やしたあと、二酸化炭素を回収する方法です。34:32

”実験は素晴らしい成果を上げていて、15万トンの石炭を改宗しています。しかも18か月も継続できているのです。”34:42

回収した二酸化炭素は炭酸飲料や化学製品などの資源に変えられています。34:48

将来的には二酸化炭素を地中深くに埋めて隔離する計画もあります。これが上手くいけば石炭火力発電所はよりクリーンな運転が可能になります。35:00

”問題は経済的に実行可能かどうかです。コストが高くつくので電気料金が20%ほど高くなります。

[米エネルギー省
ローレンス・リバモア国立研究所
ジュリオ・フリードマン]
”高い電気料金を払いたがる人はいませんが、大気の汚染を望む人ももいません。料金の問題はありますが二酸化炭素の問題や隔離技術を導入することで環境汚染を防げるなら万々歳ですよ。”35:25

この技術は旧式の発電所でどんな対策をとり得るかを示しています。35:32

[グリーンジェン]
一方、北京から南におよそ110キロ、天津郊外に建設中のグリーンジェンは石炭をクリーンなエネルギーに変えるための全く新しい技術にアプローチしています。35:43

アルバート・リンはアメリカのベンチャー資本家です。35:47

ペンシルベニアで計画を進めているクリーンプラントのため、可能国際電力の新技術を使用するライセンスを取得しました。35:55

彼は2012年にグリーンジェンを訪れました。36:01

[エンバークリアー CEO
アルバート・リン]
1年半前に訪れたときはまだ更地でした。これほどのプロジェクトがこんなに速いペースで進むのは前例の無いことです。36:10

2011年10月には建物が完成し、作動試験が始まりました。

”これは世界最先端の石炭ガス化装置です。”36:21

この装置で石炭を合成ガスに転換し、燃やします。36:26

従来のプラントに比べて排出するガスが、遥かに少なくなります。36:31

クリーンエネルギー研究所
許世森所長
”グリーンジェンの究極の目標は400メガワットの電力を作りながら、同時に二酸化炭素の90%を回収することです。”

グリーンジェンが本格稼働すれば、二酸化炭素はポンプで沖合に送られ、原油の回収作業のために利用されます。36:54

[ジュリオ・フリードマン]
”もしソフト面でも他のクリーンエネルギーに比べてそん色がなければ、テクノロジーの新たな選択肢が生まれることになります。”37:02

コストはアメリカの計画の半分ほどの抑えられるだろうと言われています。37:07

”このプラントが宣伝されている通りに機能すれば、環境を汚染せず国の課題を解決できると彼らは期待しているのです。”37:17

中国の大都市に暮らす人たちにとって、大気の汚染度が危険なレベルにあることは周知の事実です。クリーンな石炭を支持する人は二酸化炭素濃度の上昇が気候に及ぼす影響も認識しています。この問題を次の世代に持ち越すべきではないと考えています。37:38

”もし気候変動の事まで気にしないのなら、こんなことはしません。環境を汚染し続けることの方が安上がりなんですから。”37:47

しかし、私たちが言いたいのは、もっと良い方法が存在するということなのです。遅かれ早かれ環境などの諸問題に対応せざるを得なくなるのですから。”38:00

中国が金メダルを狙っているのは明らかです。こうしたすべての分野でナンバーワンを目指しています。38:07

”オリンピック選手が金メダルを目指すように、目標達成に本気で取り組んでいるのです。

あらゆる方策を用いて国民のニーズに応えるべく突き進んでいるのです。”38:19

急激に進む中国の開発は、一見無秩序に見えるかもしれませんが、その陰にはしっかりとしたエネルギー政策があります。38:31

2011年に発表された中国の第12次5か年計画では、再生可能エネルギーによる発電量の野心的な目標を設定しています。38:42

さらに2015年までに単位GDP当りの二酸化炭素排出量を17%削減するとしています。

[米エネルギー省
ローレンス・リバモア国立研究所
ジュリオ・フリードマン]
”中国の最近の取り組みから学ぶべきことは、計画することが重要だということです。彼らの政策にあれこれ難癖をつけることもできますが、少なくとも中国はきちんと計画を立てています。長期的な努力目標を定めていることが結果に繋がっていくのです。”39:10


39:13
[地質学者 リチャード・アレイ]
”地球にはクリーンなエネルギーの選択肢がたくさんあることがわかって頂けたと思います。しかしその費用は私たちに負担できるものでしょうか。変革する実効力は持ち合わせているでしょうか。過去の例をご紹介しましょう。”39:29


39:35
[CO2を垂流し!?]
時間を2,300年遡ってスコットランドのエディンバラを訪れてみましょう。

[エディンバラ 39:38]
当時の大都市はどこも似たようなものでした。ロンドンからの旅人は1754年、こう書き記しています。

”エジンバラの街を見た時、私はこんなに素晴らしい街は生まれて初めてだと感動した。住宅は石造りの高層建築で、窓枠も立派だった。”40:01

[リチャード・アレイ]
”日が暮れました。ちょっと腹ごしらえをしましょう。”

スコットランドの酒場は、当時も今も楽しい会話が飛び交い、活気に満ち溢れています。40:13

旅人は美味しい食事と赤ワインを楽しみました。しかしその後、当時のスコットランドでは当たり前のことが始まります。現代人から見ると至って奇妙な行動です。(四角い紙片に蝋燭の火をつけ灰皿に置く)40:29

時計が10時を打つと人々は紙に火をつけ燃やし始めた。部屋には煙が充満し、それはある悪臭をごまかすための策でした。40:42

(”水にご注意”と叫びながら桶から水を撒く女性。)

夜の10時は便器の中身を窓から捨ててもいい時間だったのです。40:51

”水にご注意!”
”ちょっと待ってくれ!!”

旅人は恐ろしいシャワーをなんとかかわしましたが、部屋の中まで漂ってくる悪臭を避けるため、ベッドにもぐりこまなくてはなりませんでした。41:07

しかし当時の人々はこのような悪臭や不便さ、そして病気さえ慣れっこになっていました。旅人も仕方がないと諦めていました。41:19

最上階から排泄物を運び出す設備は、費用が掛かり過ぎてみなの賛同を得られないため、大勢の居住者の排泄物をすべて溜められるように作る事もできない。41:33

この話が二酸化炭素の問題とどんな関係があるのかというと、二酸化炭素はある意味私たちの排泄物で、それが公共のスペースに垂れ流されているともいえるのです。今対応しなければ後々厄介なことになるでしょう。41:49

言うまでもなく現在は、ほとんどの家屋に排泄物を運び出す施設や、溜める容器が備わっています。41:58

お宅のトイレにはどのくらいの費用がかかりましたか?42:03

水を供給し、排泄物を運び去る配管を整備するには、まとまった投資が必要でした。42:13

この衛生革命には家庭用トイレだけでなく、下水設備や水処理施設という大規模なインフラ整備も含まれていました。今なら衛生スマートグリッドと呼べるかもしれません。42:26

衛生面が改善し何百万人もの命が救われ、コレラなどの病気が予防できたことを考えれば、かかったコストは大した金額ではありません。ざっとみて経済全体の1%程度でしょう。42:40

これは二酸化炭素を排出しない持続可能なエネルギーに変換するために必要とされるコストとほぼ同額です。42:50

衛生施設の整備には長い歳月を要しました。しかしこの排泄物処理における革命のように、私たちは将来に渡ってその恩恵を享受できる偉大な事業を成し遂げられるのです。43:04

古いエネルギーをクリーンに使う技術。さらには新しいエネルギーも登場しています。世界は着々と前進しています。43:13

アメリカがエネルギー問題で行き詰らないようにするには何が必要なのでしょうか。再生可能エネルギーへの転換が大変な難題であることは間違いありません。43:26

ジョン・ホフマイスターはかつてアメリカの石油メジャーで社長を務めた人物です。43:33

彼は、今のアメリカはエネルギーに関して正しい決断をしていないと言います。43:41

[元米国シェル社長
ジョン・ホフマイスター]
”エネルギー政策は50年という長い時間枠で取り組む問題なのに、アメリカの政治家ときたら選挙がある2年周期で考えているのです。

このままいけばアメリカはエネルギーの問題で躓いてしまいます。20世紀のエネルギーは時代遅れで枯渇するかもしれないのに、2年などという短いサイクルで考えていたら代わりのエネルギーシステムを設計するなんて不可能です。”44:09

44:10
既に変わった国もあります。44:11

デンマークのコペンハーゲンでは歩行者用通路が整備され、自転車が主要な移動手段になっています。

1970年代の2度のオイルショックを受けて、化石燃料から持続可能なエネルギーへと舵を切ったのです。44:27

[サムソ・エネルギー・アカデミー代表
ソーレン・ハーマンセン]
オイルショックのときには、日曜日には車の運転が禁止され、燃料やガソリンの供給が制限されました。”

[前デンマーク気候変動・エネルギー相
リュッケ・フリース]
”そういった過去の出来事から教訓を得て、人々は変わらなければ、と思ったのです。”

アメリカもまた、オイルショックを経験しました。44:44

ガソリンスタンドの長い列に人々は憤りを感じ、その後しばらくは輸入ガソリンや化石燃料に変わる選択肢を真剣に模索しました。

44:58
これは軍事部門以外の研究開発に使われた投資総額を表すグラフです。エネルギー関連のグラフはオイルショックのときに一度増えますが、その後は減少の一途をたどっています。45:07

このままでは2009年の景気刺激策によるエネルギー分野への投資も一時的な上昇に終わりかねません。

[元米国シェル社長
ジョン・ホフマイスター]
”10年先、さらにその先の数十年間という長い国家レベルでみたときの必要な意思決定がなされていないのです。”

ホフマイスターは他の国々は自国の安全保障の為に前進していると言っています。45:32

中国のような国々は明確な計画の元、将来に向けてエネルギーインフラを構築しつつあります。45:40

いずれは世界一の経済大国にエネルギーを供給することになるかもしれません。それはアメリカではなく中国のことですが。45:48

アメリカでは政権交代のたびにエネルギー政策が変わります。45:54

デンマークでは政権交代はありましたが、前気候変動・エネルギー相のリュッケ・フリースは政策が大きく変わることはないと言います。46:05

[リュッケ・フリース]
”私たちの方が政権を失っても、デンマークのエネルギー政策の大きな変更はないでしょう。”46:13

[ジョン・ホフマイスター]
”アメリカに必要なのは大統領や議会の任期といった短期的な時間枠を超えた意思決定ですが、今はそれができていません。他の国々はちゃんとやっています。46:25

[リュッケ・フリース]
”全ての国がエネルギー政策の転換に着手すべきです。80年代以降、デンマークの経済は成長を遂げましたが、エネルギー消費と二酸化炭素排出量は抑えられています。”46:40

[ジョン・ホフマイスター]
”アメリカは国として新たなプログラムを打ち出さない限り、10年もしないうちにエネルギーシステムの安定性という点で、第三世界の仲間入りをすることになるでしょう。政府にはまだ厳しい決断を下そうというふうには見えません。今の政策は短期的時間枠にはまり、機能不全に陥っているように見えます。”

シューマンの集光型ソーラ発電のアイデアが実用化されるまでに100年以上が、ブラジルがサトウキビエタノールの国家的 インフラを整備するのに30年、中国が農業国からクリーンエネルギーで世界をリードする国になるまでに30年を要しました。

私たちが今どうするかによって、アメリカの未来や地球の未来が決まるのです。環境を汚染しないエネルギーを手に入れるためにやるべきことを先延ばしにすればするほどコストは高くつき、地球温暖化は進むでしょう。

このまま化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出し続けたらどうなるのか、子どもや孫たちの世代がどんな問題に直面することになるのか、地球の歴史と物理的法則から答は明らかです。

今こそ、本気で自然エネルギーを考えるときなのです。
[書き起こしここまで]

0 件のコメント:

コメントを投稿