2013年4月26日金曜日

リンパ球過多で免疫力強すぎてアレルギーになったら

免疫学の安保徹先生たちの研究で、病気の約8割は、ストレスで白血球のうち顆粒球が増えすぎて交感神経過敏状態になることがわかりました。

逆に、リンパ球が増えすぎることは、それくらい少ないということですが、リンパ球増えすぎで起こる病気も徐々に増えています。

外来抗原と戦うリンパ球が増えすぎて、免疫力が過剰になり、発症するのがアレルギー疾患。アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、通年性鼻アレルギー、花粉症などですね。

抗生物質やアスピリンなどに過剰に反応したり、虫刺されに対する過剰反応や、うるしにかぶれやすい、じんましんが起きやすいというのも、リンパ球が多い人に起こる現象です。

ストレス増加の逆なので、「リラックスしすぎ」が原因なのですが、過保護であったり、大人の場合は運動不足と食べ過ぎが続きすぎたりで、副交感神経が優位になる状態です。そこへ近年の刺激物質の増加が拍車をかけます。

リンパ球はウィルスと戦ってくれますが、増えすぎると過剰反応を起こします。炎症が激しくなり、尋常でない高熱が出てしまいます。リンパ球過多の場合は、風邪も重い症状になります。

そもそもアレルギーの症状は、抗原や異物を排泄しようとするために起こっているので、アトピー性皮膚炎などは、抗原が入ってきた部分に血流を増やして、その場所の抗原を希釈してしまおうという反応です。

気管支ぜんそくは、急速な勢いで気管を閉じて抗原を入れないようにしようと、強い息で吐き出す反応です。

こうした症状自体は不快でも、治癒反応なので、それを抑えてしまって問題の解決にはなりません。

では、どうしたら本当の治癒や再発予防になるでしょうか。顆粒球が多過ぎるときは、副交感神経優位に戻すように、リラックスにもっていきますが、リンパ球は交感神経の刺激になるように、体を動かすことが必要です。

アレルギー疾患、とくに子どもに多いのが、アトピー性皮膚炎と気管支ぜんそくで、過去数十年、増加の一途をたどっており、近年は社会生活に支障をきたす重症・難治患者が増加しています。

未だに根本原因は不明とされていますが、安保先生の免疫学では答は出ています。ガンが免疫抑制の極限で起こっているのと正反対で、アトピーなどは免疫の行き過ぎで、副交感神経優位が持続しすぎる背景があります。

赤ちゃんは泣くものですが、泣くと交感神経が強い緊張状態になります。昔はすぐにはあやさなかったといいます。ところが、今ではすぐあやす。あやされればリラックスします。これで乳飲み子のときから副交感神経優位がはじまるわけです。

さらに、食事の内容が飛躍的によくなりました。これも副交感神経優位を招きます。また、子どもが昔ほど外で遊ばなくなりました。外で遊んで体を動かすことは交感神経を緊張させるよい機会で、紫外線を適度に浴びるというメリットもありました。紫外線をあびると体は疲れます。夜は疲れているからぐっすり眠れます。

人間の子どもは、生まれた直後は肺呼吸の酸素ストレスで、顆粒球が即座に増加しますが、それは4、5日でおさまって、そのあと4歳までは圧倒的にリンパ球が多い体質が続きます。

1歳から4歳までは、とてつもない勢いで成長し続ける時期なので、その成長のエネルギーと相殺されて、リラックス過剰にならずバランスがとれます。

4歳から15歳くらいまでは、リンパ球と顆粒球の割合が接近します。リンパ球50%台ということはリンパ球過剰体質です。体が排出すべき異物との戦い方を学習していく過程ですね。

15歳から20歳ぐらいで逆転して、顆粒球60%、リンパ球35%の成人型になっていきます。つまり、15歳ぐらいまではリンパ球が多いこと自体は悪くないのです。

しかし、過保護、運動不足、肥満などであまりにもリンパ球が多くなるとアレルギーの発症に結びついてしまうのです。

アレルギー反応は、塩素、残留農薬、排気ガスの微粒子などの有害物質を排泄するために起こっていることもあります。

子どもたちの生き方が副交感神経過剰優位となり、アレルギー体質を招いているところへ、刺激物が昔より増えているので、リンパ球が過剰反応するアレルギーが増々発症しやすくなるのです。

シックハウス症候群では、住宅建材に含まれている有害物質が空気中に漂うだけでなく、気密性が高いために換気が悪くて炭酸ガスがたまりやすく、埃もたまりやすくできています。カーペットも畳に比べると埃を出しやすく、ためこみやすいのです。

アトピーはどんどん低年齢化しており、水道水の塩素がもとでアトピーを起こしている赤ちゃんもたくさんいます。体表に付着した塩素を排出しようとして、体じゅう真っ赤に腫れ上がっています。少なくとも最後は塩素を除去した水で肌をすすぐことが必要で、それを続ければやがて症状はおさまってきます。

お風呂のお湯の塩素は、大人ひとりが入っておけば体に吸着してしまうので、赤ちゃんのお風呂に使う前に大人が先に入るといいようです。

歯の治療にアマルガム(合金)が使われている場合、その中の微量の水銀が少しずつ口内に溶け出すので、これが原因でアレルギーを起こすことがあります。歯医者に頼めば安全なつめものに取り替えてもらうことができます。(最近はアマルガムをあまり使わない傾向にあるようです。)

子どもがひどい湿疹で苦しんでいるとつらいものですが、リンパ球が多いというのは、実は長生き体質だとか。子どもの頃しょっちゅう風邪をひいたり寝込んだりした人に限って長生きすると昔から言われます。

体を鍛えて、リンパ球過剰を治して対処すれば、嘆かわしい体質ではありません。リンパ球増多で逆にガンになることもあるそうですが、戦う力を元々もっているので、漢方やハリ治療で簡単に治せることも確認されています。

花粉症などで確認されていますが、栄養剤でも自律神経や免疫の調整ができます。通常免疫力の強化に貢献するビタミンCは、免疫力過多でアレルギー反応を引き起こすヒスタミンの抑制・分解も行います。

白血球が過剰反応してしまう粘膜側を、良質タンパク、ビタミン、ミネラルで強化することでも症状軽減できます。[花粉症対策(分子栄養学のススメ)参照]


とはいえ、すでにステロイドなどの対症療法で、リバウンドと薬物依存の悪循環に苦しんでいる人も多いかもしれません。ステロイドは体内にも存在する物質で、ステロイド剤を短期で適量使える医師のもとで救済された人もいますが、長期の対症療法依存は免疫力を抑えつけるのでやはり危険です。

5歳の娘が刺絡療法でアトピー性皮膚炎を克服した例を、母親の手記として安保徹先生が著書で紹介されています。アレルギーと、その対症療法の治療で苦しんでいる人すべてに参考になると思えるので一部紹介します。

生後3か月で口のまわりの皮膚がただれ始め、小児科で相談。乳児によくある湿疹で片付けられて、その後さらに悪化。口のまわりを掻き壊すので透明な液体が流れるようになり、総合病院でアトピー性皮膚炎と診断。ステロイド軟膏を朝晩塗るようになって、すぐに炎症は治りました。

でも、全身汗ばむほどの場所にいても、ステロイド剤を塗っている口のまわりだけが真っ白で血の気がないことに気づき、よほど症状がひどい時以外はステロイドは極力使わないようにしていました。

4歳で幼稚園のプールに入るようになるとアトピーが悪化し始め、全身に湿疹が広がり、プールをやめても、ステロイドをぬっても肌の状態が戻らず、かゆさのためか夜もよく眠れず、昼間はぼんやりするようになり、子どもらしさがなくなっていきます。

福田稔先生の薬を使わない刺絡療法を知って相談に行ったとき、先生は、この子の両手足の指と頭頂部に針をさしながら、足をさすり「こんなに足が冷えてちゃ、つらいよな。もうすぐあったかくなるからな」と言われたそうです。

ステロイドの副作用で体の血液が滞っていたのです。週2回の通院が始まり、最初の2週間はステロイド離脱のリバウンドに苦しみましたが、その後食欲が旺盛になり、積極的に遊びたがるようになり、風邪をひかなくなりました。しょっちゅう肺炎や気管支炎をくりかえしていたのが、一冬風邪をひかずに乗り切ったそうです。

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安保徹先生の免疫革命ではステロイドについて、引用したいことがたくさん出てくるので、こちらに入れておきます。↓
ステロイドはアトピーを治さない
ステロイドの副作用は精神生活にまで害を及ぼす

ムヒなどの虫刺され薬も、一時はステロイド入りかどうか小売店で表示されましたが、すぐに取り止めてしまったので要注意です。

★この記事はメールマガジン、栄養で被ばく・ガン・ウツと闘う「アンチエイジング」でも配信しました。

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