2015年3月31日火曜日

光コラボへ乗り換えるメリットってある?

Yahoo!BBのADSL以外でインターネットのブロードバンド接続を利用している人は、どこのプロバイダであろうと、ほとんどがNTTフレッツの回線を利用していると思いますが、最近「光コラボ」で請求書が一本化できて、品質そのままで安くなりますよ、と言ってきてますよね?

通信業界の中だけで騒いでいる気がする「光コラボ」、つまり、NTTのフレッツ光とプロバイダとを別々に契約するのではなく、支払先もサービス窓口もプロバイダに一本化する契約に移行するメリットはあるでしょうか?先に結論をいうと、ユーザにとってはほとんど変わらないので、当分動かないほうがいい場合が多い、と思います。これから書くような失敗談などが一通り出揃ってから決断しても遅くないです。これから初めてネット接続を申し込むヘビーユーザには、むしろNTTのフレッツ光を勧めたいくらいです。

私が使っているBB.exciteの場合は、最初からNTTの請求代行をしていないので、請求書が一本化というだけでも、何が変わるのか分かりやすいのですが、多くのプロバイダは料金徴収だけは以前から代行をしていたので、メリットがよくわからないのではないかと思います。最初の工事にNTTが来るぐらいで、他は請求窓口もプロバイダだけというほうが一般的です。

これまでの契約と比較計算するにしても、NTTフレッツ光では長く使うほどに毎年利用料金が下がる光もっと2割とか、プロバイダは逆に最初の2年の月額料金を割り引くとか、本当に安いのか疑問です。それに加えて消費税が変化するので、マジややこしい。

私の場合2013年1月から、BB.exciteとNTT西日本のフレッツ光マンションタイプに加入して、たまたまちょうど、最初の2年の料金体系から次の段階に以降した2月にBB.exciteの光コラボに切り替えたのですが、料金だけでいうと、ほとんど変化なしです。

2年間の請求月額は、
 NTT西日本フレッツ      3,250円(8%税込3,512円)
 BB.exciteプロバイダ料金   253円(8%税込273円)
    合計で             3,503円(8%税込3,785円)

3年め突入の今年2月から
 NTT西日本フレッツ      3,080円(8%税込3,326円)
 BB.exciteプロバイダ料金   500円(8%税込540円)
    合計で             3,580円(8%税込3,866円)


つまり、NTTのフレッツ回線使用料が税込み186円下がったものの、BB.exciteプロバイダ料金の割引がなくなって税込み267円アップしたので、契約ほったらかしのままの3年めは両方合計で月額81円の微増でした。

光コラボであるBB.excite光に乗り換えた場合、
 回線使用料+プロバイダ料金 3,369円(8%税込3,628円)
 モデムレンタル料が毎月      200円(8%込218円)。
     合計で     3,568円(8%税込3,846円)。
(モデムやルータは300円の場合もあります。我が家ではNTTの屋内回線をメタル回線から光ファイバーに変える必要があったため、これまでのルータに替えて、LANポートが1つしかないモデムを設置されました。)


3年め突入で何もしなかった場合と比べて、これからの2年間、毎月20円安い、ということにはなります。ただでさえこうした過渡期の事務処理に柔軟に対処できないNTTを相手に、かなりの時間の浪費を伴う手続きに巻き込まれ、技術的には何も変化しないのに、こんな程度で「安くなる」というのは誇大広告ではないでしょうか。

(私の場合、フレッツ光プレミアムから光ネクストに回線は物理的には変わりましたが、体感としては接続スピードはほとんど変化ないどころか、若干遅くなった気がするぐらいです。マンションまでは最近光ケーブルに変わっていたのですが、部屋までの最後の数メートルのメタル回線を光に変えたとのこと。本当は10ギガの隼相当のはずですが、実際にスピードをチェックしたらこれまでの100MBに満たない80MB程度でした。これにBuffaloのルータを咬ませたら、20MBまで落ちるんです。)

このように料金はほとんど据え置きだし、NTT、プロバイダ、顧客にとって何がメリットなのか、さっぱりわかりません。

日本電信電話株式会社アニュアルレポート 2014
の中でもNTTの鵜浦さんは、色々カッコの良いことを言ってるけど、結局、B2C事業で個人ユーザ相手の薄利多売事業はプロバイダに回線を卸して押し付けて、法人相手のビジネスに専念したいってことなんでしょう。
 さらりと混ぜているけど、鵜浦さんの本音ってここ↓じゃないの? 
”…また、NTT東日本・西日本は、これまでのB2CモデルからB2B2Cモデルであるサービス卸にシフトしていくことで、販売関連費用を抑えていくことができると考えています。”

通信業界がお祭みたいに変化を大騒ぎするときというのは、いつものことながら、消費者には意味不明の契約書を読ませた挙句、実際支払う料金はどんぐりの背比べで却って手間が増えるばっかりですが、今回も、当分動かないほうがいいようです(ここ2年ぐらいでNTTフレッツに加入した時の契約条件が現在一番有利だというインサイダーもいます)。次の投稿で書きますが、ノートPCを持ってフレッツポイントで公衆無線LANを利用したいユーザの場合、わざわざNTTフレッツを離れることは非常に損なのです。

私の場合、初めて光コラボという名前のサービスに気づいて、回線品質と料金がほとんど変わらないことだけを確認して、契約を申し込みました。というのは、例えばネットで請求額を見たいというだけで、オンライン→メール→郵便→オンラインと電話、など今どき信じられないほど客に手間と時間をかけさせるNTTの縦割り経営による非効率な顧客サービスと付き合うのはうんざりだったんです。ネットサービスに慣れているプロバイダで請求書・窓口が一本化できる、というだけで飛びつきました。

といっても、このNTTフレッツ光からプロバイダの光コラボへの「転用」には、自分でNTTに電話したり、関連サイトのページを探しまわったりで、相変わらず振り回されます。NTT西日本では、最初この手続に電話受付しか表示しておらず、私は1年前から050番号の通話アプリしか持っていないので、0120番号には繋がらなかったんです。で、自分で検索してみると、NTTに西日本にも「転用番号」の「払い出し」を行うサイトが存在したので、結局電話をかけることなくその番号をゲットし、BB.exciteに申し込みました。

そこまでして乗り換えたというのに、手遅れになってからわかったのが、これまでポイント交換で手に入れて使ってきたNTTフレッツ・スポットが、使えなくなるかもしれないということ。独立系プロバイダのBB.exciteには同様のサービスは有料でさえ一切ないということ。この2月に次の12ヵ月も利用するためにポイントで支払ったばかりでした。家の外で時間を気にせずネット接続ができるというのがどれほど気分的に救われていたかを実感しました。

24ヶ月後に2年縛りの違約金6000円が発生しなくなった時点で、あるいはそれを払ってでも、ひょっとしたらNTTフレッツ光の契約に戻ることすら考え始めました。(2年縛りの違約金の額はプロバイダによって異なり、9000円以上のところが多いです。)ただし、光コラボを導入するプロバイダのほとんどは、従来のNTTフレッツとくっつけたプランは停止していく模様です。BB.exciteは既にNTTフレッツのプランは停止しました。

とはいえ、これからブロードバンド接続の契約する人で、外でのネット接続はスマホで十分、という方は、工事費や最初の24ヵ月の月額料金でお得なキャンペーンがみつかったら入ってしまえばいいでしょうし、パソコンのヘビーユーザでなければ、WiMaxやLTEで、家でもどこでもブロードバンド接続ができてしまうモバイル・ルータでの契約のほうが便利だと思います。




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2015年3月23日月曜日

3月22日のNHK「日曜討論」出演の山本太郎議員に感謝!!(動画と書き起こしを引用)


この日曜に、見逃してしまった日曜討論。大奮闘した山本太郎議員の発言シーンが動画で拡散されていました。これまで、散々視聴者の声を無視して太郎くんの顔を出させないようにしてきた安倍様の犬HKですが、今回は出演が決まったと17日ごろからツイッターやFacebookでも情報拡散されていました。

どんなときも全力で、他の議員らが口にすることもできないような私たちの本音をちゃんと公共の電波に乗せて発言してくれる議員。自分の知名度の最大限の生かし方をよくわかっている議員。なんせ、この数分の一でも暴露した人たちは消されてきているわけなので、文字通り命がけの政治行動。感謝しつつ、支えていかなければと今さらですが思います。

Facebookで大拡散されている水野木内みどりさんのポストを、シェアします。よければここから「いいね!」クリックどうぞ。
※Facebookからの引用の下に、@動画の全文書き起こしをコピーしています。


2015年3月23日

@動画の書き起こしをコピー

NHK・日曜討論スペシャル 山本太郎(やまもとたろう)氏の発言部分・全文書き起こし/若者がこれ以上「生き辛くなるようなこと」を、政治で決定しないで頂きたい。

2015年3月22日に放送された、NHK・日曜討論スペシャル「地方創生・原発・安保 10党に問う」の中から、山本太郎(やまもとたろう)氏の発言部分を抜粋して紹介します。
(所要時間:約5分)
▶ 統一地方選 どう臨む
この統一地方選という選挙は、すごく大切な選挙だと思っています。というのはですね、国会の中に、現在ブレーキが無い状態です。なぜならば、自民・公明で多数を握っていますので、「国会にあがったものは全て片っ端から決まってしまう」という今状況なんですね。これを止めるには「地方の力」が必要だと。
えー、地方から、もう すでに悲鳴が届いています。どのような形でかといいますと、地方議会での反対決議・意見書というものが次々にあがってきているわけですね。
例えば「TPP」。これ、41の道府県議会でそのような声明(※反対決議・意見書)が出てると。「集団的自衛権」に関しては190議会。「秘密保護法」で195議会。「原子力」で455議会。
ま、数の力で押し切ったとしてですね、毎回言われるのが「丁寧に説明している」という言葉なんですけれども、一度も丁寧に説明されたことが無いんですね。この暴走を止めるためには、今回の選挙、「必ず、勝たなければいけない」と、そう思っております。
▶ “地方創生” 活性化につながるか
どう活性化するか?なんですけれども、もう「地方の所得を上げていくしかない」と。もちろん、その他の地域もですけれども。
地方の所得を上げるためにはどうしたら良いか?、これ、アベノミクスを待ってても、いつまでも、来ないんですよね。だって、あの~、実際、実質賃金 19ヶ月連続ダウンしてますから。これ、もちろん「賃上げされた」と言っても、一部の大企業、まぁ 大企業がほとんどですよね。中小企業・零細企業は関係ないと。
じゃあ、地方の所得を上げるためには最低賃金を上げるしかないと。国連から勧告出てますもんね、「日本の最低賃金は低すぎる」と。「これじゃあ、健康で文化的な暮らしが出来ない」という事が言われてるわけですから、「最低賃金を上げる」と。
1人暮らしでギリギリの生活をしている人たちが、家族を持とうと思うか?、子供作ろうと思うか?って話やと思うんですよね。「少子化対策」っていう事をまず言うならば、「人口減少」という事を言うならば、まず、この「最低賃金を上げる」という事が絶対。
そして、不平等税制である「消費税」、これ絶対見直す必要があります。まずは5%に戻して、そして、廃止に向ける。で、その財源はどうするんだ?という事ですけれども、これ、所得税の累進性を強化、資産課税の強化っていうのをやっていく事によって、消費税はやめることが出来ると思います。
▶ 再稼動・廃炉 どうする原発政策
もう原発がなくても電力は足りてるって事は、はっきりしてるんですね。550日以上、原発一基も動かずに、この国の電力は賄(まかな)われてるということは、はっきりしてる。
やはり東電原発 の事故から一体何を学ぶのかと、これ以上 この地震国でこの発電方法を続けていいのか?と、本当に世界一安全な基準だというのは、本当に世界一安全な基準ということは言えないわけですよね。
で、まぁ おそらく、色んな方々から「原発は必要ない」という意見が色々出ると思うので、僕からは、この、原発事故関連で今僕が一番気にしてることなんですけれども、ストロンチウムの検査をして頂きたい。
東電からの汚染水、もちろん、えー、25mプールに3000杯ですか?、それ以上に汚染水が もうダダ漏れになっているという状況、海に直接流れ出てるんですよ。安倍総理、アンダーコントロールという嘘を、えー ブエノスアイレスで、オリンピックを呼ぶためにつきましたけれども、実際にアンダーコントロールなんてできてない状況です。
この中でストロンチウムの検査、食品の検査ができなければ、子供達の未来が危ない。至急、ストロンチウムの検査をして頂きたい。よろしくお願いします。
▶ 安全保障法制 後方支援は
あの~、イラク戦争のことを思い出して頂きたいんですけれども、国民には、テレビを見てる皆さんには、戦闘地域ではない所だと、安全な場所で行われるよ、給水・給油・医療提供など、ってことが言われてましたけれども。
でも実際どうだったか?と。 戦闘員、まぁ 兵力の輸送という事までやらされていたと。「バグダッドに飛行機で輸送する」という事もやらされていたと。これ名古屋高裁で違憲判決が出てますよね。結局、補給活動というのも戦闘行為の重要な要素になるんだと。狙われるに決まってるんですよ、そんなもんは。
で、もう一度思い出して頂きたい。イラク戦争に、派兵 どれぐらいされましたか?、派遣どれぐらいされましたか?自衛隊員。一万人ですよ。
一万人の方々が帰って来て、その内、28人の方々が帰国後に自殺をなさってる。2012年の日本の自殺率で考えると、10万人に対して18.5人なんですよ。帰還兵が、いや、帰還された方々がどれぐらいの割合で自分の命を絶ったかということが分かって頂けると思うんですね。
で、アメリカで帰還兵となる方、200万人くらいですね。アフガンとイラク。この方々で50万人くらいの方々が心にPTSDの病気を背負ったと。それだけじゃなく、毎年250人以上の方々が、自殺しているという現状。ここに注目して頂きたいです。
若者がこれ以上「生き辛くなるようなこと」を、政治で決定しないで頂きたい。
-------引用ここまで。

こんな短時間でよくここまで明瞭に語ってくれました。これは常々、私たちがSNSで情報共有していて、すでに当たり前になっていることのほんの数分の一ですが、マスコミは報道しないことだらけ。テレビや新聞(全国紙)が情報源になっている人や、ネットでも大手紙やテレビ局が流すニュースばかりを読んでいる人にはなかなか伝わらないことだらけ。同じく22日に反安倍政権のデモの1万4千人もの人が大集合し、全国でそれを絶賛する人たちがいたことも知らないまま。




2015年3月8日日曜日

セバスチャン・サルガド「写真が見せるサイレント・ドラマ」( 2013 )

前投稿でとりあげたセバスチャン・サルガドとはいったいどのような経験をしてきた人なのか。

TEDで2013年2月のサルガドのアメリカでの講演動画が日本語字幕付きで公開されているのですが、YouTubeでアップロードに成功したので、ここにも埋め込んでおきます。


TEDから引用:

Subtitles and TranscriptTranslated by Mari Arimitsu 
Reviewed by Kazunori Akashi

0:12ここに いらっしゃる皆さんは 私の写真をご存知でしょうか まずは何枚か ご覧ください その後 お話しさせていただきます 私の生い立ちについて 少しお話しします 
今日の ここでの講演に 関係するからです 私は1944年に ブラジルで生まれました 当時 ブラジルは まだ市場経済ではありませんでした 
私は 農家に生まれました 農園の5割以上が まだ熱帯雨林でした 実に素晴らしい土地です 
素晴らしい鳥や動物達に 囲まれて暮らし ― カイマン(ワニ)と一緒に 小さい川を泳いだりしました 私達の農園には 35世帯ほどが暮らしていました 農園でとれた物は 全て自分達で食べ 市場に出荷するものは ほんのわずかでした 
出荷するのは年に一度 ― 私達が育てた肉牛だけでした 何千頭もの牛達を引き連れ 45日もかけて 食肉処理場まで行きました そして20日かけて 農場に戻ってくるのです 
私が15歳のとき そこを離れて 町に出ることになりました 少し・・・いや ずっと大きな町です 後期中等教育を受けるためです そこでは これまでと違うことを学びました 
ブラジルでは都市化と産業化が 始まっていました 政治に興味があったので 少し急進的になりました 左派政党の党員を経て その後 活動家になりました 経済学者になるために 大学に進学し 経済学の修士号を取得しました 
また 私の人生において 最も重要なことも この時期に起こりました 素晴らしい女性と出会ったのです 生涯に渡る親友になって 私がしてきたことには 何でも協力してくれた ― 妻のレリア・ワニック・サルガドです 
ブラジルは政治面で急進的になり 私達は独裁政治に果敢に戦いましたそのうち私達は 武器を手にゲリラになるか 祖国を去るかを選ぶ必要に迫られました 私達はまだ若かったし 所属していた組織は 私達が国を出た方が良いと考えたため フランスへ行って 私は経済学の博士号を取り ― フランスへ行って 私は経済学の博士号を取り ― レリアは建築家になりました 
私は その後 投資銀行で働きました 世界銀行がアフリカで行った 開発向け資金援助の ― 経済プロジェクトに携わり たくさん旅をしました そんな時 完全に写真の虜になり 私は写真家になりました 全てを投げ出して 写真を撮り始めました これは私にとって重要なことでした 
多くの人が私のことを 報道写真家とか 人類学の写真家とか 活動家でもある写真家と呼びますが 私はそれ以上のことをやりました 写真を我が人生と考えています 長期的なプロジェクトを通して 私は完全に写真の中に生きています ここで数枚の写真を見ていただきます 
私が携わった社会プロジェクトの 様子がわかると思いますこれらの写真については 多くの本を出版しました でも 今は少しだけ お見せします 1994年から2000年にかけて『大移動(Migrations)』の 物語を写真に撮り 写真集と展覧会になりました 
でも この写真を撮影しているとき 人生で とても辛い時期を 主にルワンダで過ごしていました ルワンダでは最悪の 残虐行為を目にしました 毎日 数千人が死ぬのを目の当たりにし 人類への信頼を失いました 人類はもう存続できないと思いました 
それから私は自らの ブドウ球菌に冒され始めました いたる所が感染しました 妻と愛し合った時には 精液の代わりに― 血が流れました パリにいる友人の医者のところに行き すっかり病気になってしまったと言いました 
長い検査の後 こう言われました 「セバスチャン 君は病気じゃない 前立腺も完ぺきだ ― でも死を見過ぎたせいで 君自身が死につつあるんだ ― もうやめたまえ ― さもないと本当に死んでしまうよ」 
それでやめることを決断したのです 私は写真にも 世界のあらゆるものにも 本当に腹を立てていました 
そこで生まれ故郷に帰る決意をしました その頃はちょうど 両親が高齢になった 時期と重なっていました 私には7人の姉妹がいて 男性は私だけです だからレリアと私が家族の土地を 継ぐことになりました 
譲り受けた時 土地は 私同様 死につつありました 私が子供だった頃は 半分以上が熱帯雨林でしたが 土地を受け継いだ時は 熱帯雨林は0.5%にも 満たなかったのです 
周辺はどこも同じ状況でした ブラジルでは開発の結果 ― 多くの森林が破壊されました ここアメリカでも インドでも ― 地上のいたる所で破壊が行われました 発展のために 身の周りの環境を壊すという 大きな矛盾が生まれました 
かつて農園には数千頭の 牛がいましたが わずか数百頭になっていて どう対処したらいいか 途方に暮れました 
そんな時 レリアが素晴らしい クレイジーなアイデアを思いつきました 彼女は言いました 「熱帯雨林を復活させたら? あなたの生まれ故郷の パラダイスを もう一度作りましょう」 
そこで森林工学に詳しい 親しい友人に会って プロジェクトの準備を始めました それから植樹を始めました 1年目は大量に枯れましたが 翌年は枯れる本数が減り 死に絶えた土地が ゆっくり再生を始めました 
私達は何十万本もの 木々を植え始めました ただし土着の種だけに限定して 破壊された生態系を蘇らせました すると生命が驚くべき形で 再生し始めました 
私達は この土地を 国立公園にする必要がありました 私達は この土地を 国立公園にする必要がありました 土地を改良して 自然の状態に戻し 国立公園になりました 
Instituto Terra という団体を設立して 資金を集めるため大規模な 環境プロジェクトを始めました ここロスやサンフランシスコの ベイ・エリアでも活動しています 米国では税金控除の対象です 
これまで スペインやイタリア ブラジルでも多くの資金を集めました ブラジルでは資金を投入してくれる ― 多くの企業や行政と活動しています 
人生が輝き始め もう一度 写真を撮りたいという 大きな夢に立ち返りました でも 今回撮ろうとしたのは 生涯を通じて撮影してきた 我々人間ではありません 他の生き物や風景 ― 他の生き物や風景 ― そして人間の中でも 自然と共存していた頃の 原初の姿でした 
2004年の初頭から始めて 2011年に終了しました 膨大な数の写真が生まれ レリアが本と展覧会のデザインを 全て手がけました 彼女は言わば創造主です 
こうした写真の狙いは 地球上に原初の姿のまま残っているものや 人類が生き残り 自然と調和した生活を送るために ― 地球上に残すべきものについて 議論を起こすことでした また人間が石器を使うところを 見たかったのです 
そう そんな光景がまだ存在します 先週ブラジル国立先住民保護財団に 行ったのですが アマゾン川流域だけで 隔絶した生活を送る ― 約110の先住民の集団がいます だから私達は 森を守らねばなりません 
そして 私の写真によって 知識体系を作りたいのです 私達は地球を新しい視点から 見せようとしてきました ここでプロジェクトの写真を 何枚かご覧ください (拍手) 
どうもありがとう 今ご覧いただいたようなものを守るため 私達は全力で戦わなければいけません でも他にも一丸となって 再生すべきものがあります 社会や その中に生きる 現代家族を築くことです 私達は もう後戻りできません 
一方で大きな矛盾を生んでいます 今あるものを築くため 多くを破壊しています ブラジルにある私達の森は カリフォルニア州ほどの広さの原始林ですが その93%が破壊されています 
ここ西海岸でも森が破壊されていますね? この辺のアメリカスギは消滅しました あっという間に消えてしまいました 2日前アトランタを経由して ここに来たとき 砂漠の上を飛行しました この砂漠は 私達自身が 生み出したものです 
インドにはもう木々がありません スペインも同様です 私達は森を再生しなければいけません 私達の命の源は森です 私達は呼吸しなければなりませんが 二酸化炭素を酸素に変えられるのは 森だけなのです 森だけが二酸化炭素を 吸収できるのです 私達は常に二酸化炭素を出しています いくら排出量を減らしても 私達が活動するたびに 必ず排出されるのです 
3~4週間前 思いついたことがあります ノルウェーで数百万匹の魚が 死んだという記事を読んだ時です 水中の酸素が不足したことが死因でした それでこんなことを考えたのです 人間を含む全ての生き物が 酸素不足になることがないから 事態が見えにくいのではないか 
水システムにおいても 木々は重要です 分かりやすくなるように ちょっとした例をあげましょう 皆さんのように髪の毛が たくさんあるハッピーな方は シャワーを浴びた後 ドライヤーを使わなければ 髪が乾くのに 2~3時間かかります ところが私の場合は1分で乾きます 
木々は いわば地上の髪の毛です 木々が無い場所に雨が降れば雨水は数分で河川に流れ込み 土壌を流し 水源を破壊し ― 河川を壊して 水分は保たれません ところが木々があれば 根が水を留め 落ち葉や枝が 湿度の高い場所を作り 数か月かかって 地下水に下りて川に届きます こんな風に 私達の源である 川が維持されます 
最も大切なことは― あらゆる活動において 水が必要だと理解することです それでは最後に 何枚か写真をお見せします 未来にとって大切なものです 
先ほどお話したように 両親から私のパラダイスだった 農園を譲り受けた時 ― 土地は完全に破壊され 浸食がすすみ 乾燥していました でも写真でわかる通り ― 私達はこの時 教育センターの 建設を始めていました これはブラジル有数の大きな 環境センターになりました 
点のように見える部分が たくさんあるのが見えるでしょう 私達が木を植えた場所です 数千もの木々を植えました 全く同じ場所で 今から2か月前に撮った ― 写真をご覧ください (拍手) 
冒頭でお話ししましたが 私達は 生態系を再生するために 約200種からなるー 250万の木々を植えなければなりませんでした 最後の写真を ご覧いただきます 
この土地で 200万の木々を育てました この木々のおかげで 約10万トンの二酸化炭素を隔離しています 皆さん これは本当に簡単なことです 私達だって できたんです 自分に降りかかった災難をきっかけに 母国に戻って 生態系を再生させました ここにお越しの皆さんも 同じ不安を抱えているでしょう 私達がブラジルで創ったモデルは ここでも使えるものです 世界中で応用できますよね? 皆さんと一緒に このモデルを広められるはずです どうもありがとうございました (拍手)

Genesis