2012年に「アイスランド政府、住宅ローンを免除」の記事を投稿してから、なぜアイスランドがそれを成し遂げられたのかを追求することもなく、そのままになっていましたが、そのすぐあとに、ポルトガルのMiguel Marques監督のすばらしい映画が出ていました。
先月、ここに日本語字幕を付けてアップしてくださったブーゲンビリアのティータイムのブログオーナーさんのお陰で、日本での拡散が可能になりました。これです。
先月、ここに日本語字幕を付けてアップしてくださったブーゲンビリアのティータイムのブログオーナーさんのお陰で、日本での拡散が可能になりました。これです。
前半だけですが、書き起こしがありました。
全編、アイスランダーたちの英語を聴きながら字幕を読まなければいけないので、途中はこっちのほうが楽かもです。
■[ブーゲンビリアのティータイム]鍋とフライパン革命 〜アイスランド無血革命に学ぼう①〜
■[ブーゲンビリアのティータイム]鍋とフライパン革命 〜アイスランド無血革命に学ぼう②〜
この話の内容は非常に重要です。
すでに視聴した人はご存知ですが、アイスランドは特別でもなんでもないんです。政治家やビジネス界、マスコミがカネまみれになって、利権の利益を優先する体質になってしまっていることは同じです。彼らの批判を聴いていたら、日本のことかと思ってしまうほどです。
日本では3.11の原発事故が自分の転換点になった人が多いと思いますが、それと前後して、世界じゅうでOCCUPY運動が活発化して、ロンドンやニューヨークでもかつてない規模のデモが増えていたことはご存知だと思います。
戦後ずっと草の根で息づいていた、本当の民主主義をめざすための動きが、2008年のリーマン・ショックに代表される何度めかの金融バブル崩壊で爆発的に拡大し始めたとも考えられます。
民主主義を本当に市民の手に取り戻すための運動の参加者の多くは、2012年にはアイスランドで起きたことを知っていました。
誰か力の有りそうな人を立てて、一気に現状を変えてしまおうなどと、手続きを軽視した動きがすぐ出てくるのは、民主主義や立憲主義にとって何が大事なのか、達成したいことは何なのかをじっくり考えないからだと思います。
個人を偶像崇拝する(させる)傾向は、テレビが連日作り出していることでもあります。(大したことを喋ってるわけでもないカリスマ風芸能人にインタビューして舞い上がるリポーターや、同調圧力で全員笑顔で頷いているスタジオを見ていて、もし何も感じなければかなり重症です。)
このPots, Pans and Other Solutionsの映像で印象的なのは、これほどすばらしい革命を成し遂げた人たちが喋っているのに、誰もヒーローっぽく描かれておらず、この一人ひとりが、すぐそばにいる誰かのように見えることです。
話をわかりやすくするために、主人公を決めて、エピソードや芝居で盛り上げて見やすくするのは娯楽作品ならいいですが、一言一言が心に届くことばが散りばめられている映像は、そんなものがなくてもここまで価値のある作品になるんだなぁと思います。
選挙の限界、多数決の欠陥をよく知っておかないと、民主主義は本当の意味では機能しません。
地球はもうこれ以上の搾取に耐えられないほど、いまの大量生産・大量消費、経済成長信仰の世界は限界にきています。
現政権と闘うためにも、何をどうしたいのかを考える手立てとして、アイスランドの例はとても参考になるし、勇気づけられます。
途中、米軍兵士らによるイラクでの一般市民の殺戮や、中央銀行によるトリックの解説など、見慣れた映像がいくつか出てきます。全部繋がってたんですね。アイスランダーたちは、それらを陰謀論として片付けるのではなく、1つずつ自分たちの手で解決していく方法を見つけたんですね。