このシリーズ 「たくさんの人に知ってもらいたい自然と共生する農法のお話」3つめ、三浦伸章さんの講演後半の記事です。
講師は前回と同じく三浦伸章さん。
前半のスライドの前や合間にも、実際のプランタや家庭菜園での実践の話は出ていたのですが、ここにまとめてメモを追加します。
岡本よりたかさんの理論・基礎知識を消化してから、この実践例の話を聴くと、すぐにでも土づくりから始められると思います。
岡本さんは、ホームセンターの土は熱湯消毒で微生物を殺してしまっているので使わないほうがいいというお話でしたが、三浦さんはホームセンターで土を買うしかない人たちのために、それを使って土作りする方法も紹介されています。
三浦さんが使われるのは、このプランター。縦横39cm x 70cm。深さ27cm。
水がしっかり抜けるところで作物はよく育つということです。
硝酸イオンなとこにでも存在する窒素化合物のことですが、多すぎるデメリットは下記のようなものがあります。(上記サイトから引用。)
●野菜の根が濃い硝酸で傷み、うまく水分を吸収できなくなる。
●傷んだところから病原菌が入りやすくなる。
●最終的に生育が悪くなり、軟弱になる。
●病気や虫がつきやすいので、農薬散布回数が増える。
野菜だより 2015年 05 月号 [雑誌]
三浦伸章さん。FBから拝借 |
講師は前回と同じく三浦伸章さん。
前半のスライドの前や合間にも、実際のプランタや家庭菜園での実践の話は出ていたのですが、ここにまとめてメモを追加します。
岡本よりたかさんの理論・基礎知識を消化してから、この実践例の話を聴くと、すぐにでも土づくりから始められると思います。
岡本さんは、ホームセンターの土は熱湯消毒で微生物を殺してしまっているので使わないほうがいいというお話でしたが、三浦さんはホームセンターで土を買うしかない人たちのために、それを使って土作りする方法も紹介されています。
三浦さんが使われるのは、このプランター。縦横39cm x 70cm。深さ27cm。
会場の参加者は関西の人が多いので、大阪で一番手にはいりやすいという、真砂土つちでできる方法です。ホームセンターで買ってきた真砂土つちをプランタの底に入れて、足で踏みつけます。
こうして水分が保てる層をつくると作物が育つそうです。(ホームセンターの土は岡本さんが言うように、熱湯消毒で微生物を殺してしまっているのでよくないのですが、上に腐葉土などを敷いて微生物を呼ぶ土づくりです。)
表面10cmは養分、その下は水分だけが要ります。
上部の土作りをします。
腐葉土7リットル、
そこに、米ぬか、もみ殻くん炭など3リットルをまぜて
袋に戻し、一週間置いたら完成。
ちなみに、この図は、畑でススキ、ぬか、落ち葉で土づくりするときの例で、
120㎝幅ぐらいの畝に50㎝ぐらいの腐葉土を作る…のだったと思います。
三浦さんにとって、このススキを入れるというのが新発見だそうで、
ススキ→落ち葉→ぬかの順に入れることで、作物のできる数が数倍に増えたとか。
落ち葉だけならナス2本、ススキと落ち葉なら15本、ススキ、落ち葉、ぬかで50本と…。
水がしっかり抜けるところで作物はよく育つということです。
完成した上部10㎝用の土には、酢水(酢を100~300倍の水で薄めたもの)を、下から出てくるぐらいにかけます。そうすることで、微生物を呼びよせます。
完成したらネギをすぐ植えます。
半月ぐらいしたら、ブロッコリ、そしてレタスを植えます。
こんなふうに、相性のいい作物をいっしょに植えていきます。
ここからは畑で栽培する例です。
ナスの場合、いかに葉っぱを小さく作るかが問題。
葉っぱが大きいとナスがあまり採れません。
キャベツとルッコラは相性が悪いのでいっしょに植えると育ちが悪くなります。
(片方が終わってからならOK。)
じゃがいもはひまわりの隣に植えるとうまく陰ができて病気にならないそうです。
ハウスでもトマトの茎を残すと次の年にまた育つから、そのままにすればいいとか。
トマトのそばはエンドウはいいですが、ブロッコリはあまりよく育たないそうです。
ニンニクの横にじゃがいもを植えるのもダメ。
キャベツの後にじゃがいもを植えると収量激減します。
玉ねぎ→夏やさい→玉ねぎ、とか
ナス→冬の白菜など→ナス
という連作は、専用の微生物が増えるので収量アップするそうです。
ここまでの畑の写真は、こうした隣合わせや連作での成功・失敗がわかるものが含まれているはずですが、説明を聞きながらスライドを見ていても目が追いつきませんでした。
なお、マメを巻く場合、酢水に浸けてからまくと、ウィルスにかかりにくいそうですが、必ずその日じゅうにまく必要があります。翌日になるとマメは死にます。
ちなみに、マメは全方向から水を吸いますが、キュウリやスイカのタネは尖った先からだけ吸うそうです。
上の写真でも藁が見えますが、マメをまいたあと、線状に藁などを置いておくと、鳩などが食べにこないそうです。ただし、風などが吹いて、藁どうしクロスしてしまうと来てしまうとか。不思議~。
野菜の硝酸について
これはメモが追いついてないので、下記サイトも参照してください:
●野菜の根が濃い硝酸で傷み、うまく水分を吸収できなくなる。
●傷んだところから病原菌が入りやすくなる。
●最終的に生育が悪くなり、軟弱になる。
●病気や虫がつきやすいので、農薬散布回数が増える。
野菜の硝酸含量の目安(NO3あたり) 欧州の例。
日本→ホウレンソウで3,000mg/kg(ppm)以下(北海道における目標値)
土壌中の窒素の変化と野菜への吸収。作物が吸収する図によると、
タンパク態窒素
↑
アミノ酸態窒素
↑
アンモニア態窒素
↑
亜硫酸塩態窒素
↑
硫酸塩窒素
・・・ということですが、
この説明を上記サイトから引用します:
”土の中の硝酸塩は、水に溶けて硝酸イオン(NO3-)という形で野菜の根から吸収され、葉に運ばれます。野菜の体内では、複雑な化学変化を経て、硝酸をもとにアミノ酸が作られます。
アミノ酸は野菜の生長や消化吸収、呼吸などに使われます。”
ちなみに、稲が茶色になるのは、一年間持つように自分で窒素を飛ばしているからだそうで、発芽するだけのものを残しています。
野菜の栄養価について(鉄分)
ホウレンソウ以外は、この本の四訂から激減しています。
野菜の栄養価について(ビタミンC)
すべての野菜でこの本の四訂から激減しています。
昔の食卓の写真。
このころは、お茶碗やお箸は最後にお茶に浸して拭くだけで、
洗わずにしまって毎日使っていました。
話は飛びますが、
O157に感染するのは、塩をあまり使わない最近の浅漬けなどのせいで、
雑菌が繁殖しやすくなっているのと、
一方、食べる側は腸内細菌が弱くなっているためで、
従来の食生活ならO157などには簡単に感染しないそうです。
終盤では、プランターでも自給していかないと、食べれなくなる時代が来ようとしている、というお話でした。
これはドイツのクラインガルテン(市民農園)で、自給率100%。
日本でも徐々に似たような取り組みが広がっているのはご存知のとおりです。
土を地元で用意できない人のために、注文先の紹介がありました。
最後は主催者や講演者らの座談会でしたが、そこでも家庭菜園や農業実践について参考になる話が出ましたので、次の記事でメモを入れます。
なお、三浦さんが4月3日発売の「野菜だより」に登場していたのを、講演会主催者の今井真理子さんがFBにアップしていらしたので、キャプチャでご紹介します。
MOA自然農法普及員・三浦伸章氏が教える
無農薬・無肥料でつくる家庭菜園セミナー(畑編)
主催:食といのちを考える会・フェアフードインフォメーション
無農薬・無肥料で野菜づくりを死体人のための家庭菜園セミナーが2月7日、8日に開催された。
講師は、MOA自然農法普及員の三浦伸章氏。7日はプランター編、8日は畑編が行われ、編集部は畑編に参加した。
この日、三浦氏が教えたのは土づくりと畝づくり。参加者は実際に畑の土を掘ってレクチャーを受ける。
三浦氏の土づくりの特徴は、土壌の微生物を活発にさせてあげることと、根が水分や養分をどのように吸収するかを考えて畝をつくることだ。
土づくりで驚いたのはススキを使うことだ。落ち葉堆肥に下にススキを入れると空気の層ができて、根が張りやすくなり、微生物の活動も活発になるという。この他、100倍に薄めたお酢をまいて、土壌の微生物に刺激を与え、活動を活発化させる技も興味深かった。
今回のセミナーはフェイスブックで告知・募集されたこともあり、セミナー後もフェイスブックで参加者同士情報を交換しながら各々の畑で実践しているようだ。
なお、この雑誌はアマゾンで購入できます。Kindleであれば割安で、PC用の無料ソフトなら大きな画面で視ることができます。
野菜だより 2015年 05 月号 [雑誌]
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