このシリーズ 「たくさんの人に知ってもらいたい自然と共生する農法のお話」4つめは座談会と質疑応答ですが、岡本さんと三浦さんのお話の続きが中心なので、これまでの講演の補足といった感じです。
岡本よりたかさん、三浦伸章さん、そして主催者の今井基樹さん、竹岡正行氏(就農6年目の若手農家)、石田尚子さん(自然栽培5年目主婦)。司会は主催者の今井真理子さんです。
講演会メモから、後で読んで意味がわかるところをとりあえず書き留めておきます。
就農について:
まず、新規就農、つまり農地を所有して地域の一員となることは色々大変だというお話でした。特に一般的な農業をやっている地域に自然農家として入ることの大変さも伴います。
手に入れた畑は集落の風景に影響することになるので、集落の意向に合わせることが必要になってくるとのこと。
地域ごとに違うけれど、農業委員会があって、村の人たちに認めてもらうために3年間消防団に入るという要求があったりするそうで、岡本よりたかさんも入ってるとのことでした。
また、作物は知ってる人に売るとなんとかなるものの、市場で売ろうとすると二束三文でたたき売り状態になるので、ネット通販などを使うことが必要。自然農家の場合、たとえ会員であっても農協は買ってくれません。
土づくりについて:
土の状態は「肥毒」を解消して微生物バランスがよくクリーンな土を作ることが必要です。
たとえば牛糞を春と秋に10年ぐらいやっていると、カリが残ってしまいます。そういう場合は、えんどう(または根の長いライ麦や大麦)を植えて、植物に吸ってもらうしかないとのこと。雑草は吸えないんだそうです。そもそも栄養が要らないのが雑草なので。
「ヤバそうな土」というのは肥料が入っていると臭いでわかるそうです。
また、化学肥料ばっかり使っていると、同じ雑草ばかりが生えていて、状態がよくないとか。岡本さんのスライドにマメ科の雑草が多い、いい土の写真が出てきましたが、いろんな雑草が生えていると土の中のバランスがよくなってきているそうです。
牛糞の何が悪いかというと、本来牛は草を食べて血肉にするために4つも胃があるのに、今の牛は本来食べたことのないトウモロコシや、遺伝子組み換え作物などを食べさせられています。
また、下には草はなくチップを敷いています。現代の牛糞は最悪の状態で、化学肥料同様に微生物が死んでしまうそうです。鶏糞も同じだとか。
このあたりのことは、MOA自然農法ガイドラインの実践のあり方に出てきます。
また、岡本さんは横山和成さんの本が参考になるとのことですが、この「食は国家なり! 日本の農業を強くする5つのシナリオ (アスキー新書)」のことみたいです。
他にも「図解でよくわかる土壌微生物のきほん: 土の中のしくみから、土づくり、家庭菜園での利用法まで」という、もっとダイレクトな見出しの本がみつかりましたが、7月7日の発売待ちです。
「育苗(いくびょう)」の土について…。
(これは土づくりについての前記事をご参照ください。)
本葉が生えてきたら味が決まります。
キュウリなどは水が好きで、リン酸・カリウムなどを入れておくと通常は一枚の葉で5本ぐらい成ります。 (←このあたりメモに自信ありませんw)
耕作について:
不耕起農法についてですが、家庭菜園は不耕起のほうがやりやすいとのことです。
ここで、福岡正信さんの話が参照として出ました。
一番読まれているこの本のことかもしれません。
なぜ耕すのかというと、嫌気性菌と好気性菌がうまく混ざり合うようにするためでもあります。
トラクターを使って、そのまま耕そうとすると、刃の下は叩きつけられて硬くなってしまうそうですが、三浦さんによると、刃の角度を変えて、空気が入るようにすると、二層に分かれずうまく天地返しみたいになるそうです。
「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村秋則さんの場合、ボコボコにしてから上だけ浅く細かくするという方法を使われているとか。
なお、春先に野菜をつくる時には土返しをします。
ひたすら作付けしたほうが、土は元気よくなり、休ませると力がなくなってくるそうです。
例えば、キュウリ→エンドウ→キュウリ→エンドウ…というように、次々植えていきます。
三浦さんのスライドに石と石の間に苔がむしている写真がありましたが、土が裸になると草が生え、直射日光を防ごうとするのが自然の摂理だとか。
タネを蒔くタイミングは1週間しかありません。
耕してすぐに蒔くと、酸素が入りすぎるので、1週間おくようにします。そのとき、一度しっかり踏んでおくことが大事です。(ちょっと叩くだけではダメ。)
また、畝が嫌いな植物もあります。小松菜などは固い土のほうが好きです。
自然はほとんど埋めないので、ばら撒くだけの農法もあります。
カボチャは生ゴミみたいな環境が好きで、粉砕した土(?)といっしょならばら撒くだけでもいいかもしれません。
農業収入について:
農業を職業とする場合ですが、なかなか農業の収入だけでは大変で、岡本よりたかさんは最初は「4年間食えなかった」そうです。東京でパン屋さんを持って、そのために小麦農家になったとのこと(岡本さんは他にも色々職業があるわけですが…)。座談会参加者の竹岡さんの場合、農業開始して4年めでやっと年収200万ぐらいになったとのこと。
まずは生活費分をめざす。また、顔が繋がってきたら売れるとのこと。
三浦さんによると、静岡ではオーガニックマーケットでセミナーを開くときに作物を食べてもらってクチコミで売上が増えているそうです。有機から自然農になってさらに伸びているとか。
また、ラララプラネットという移動販売があって、今では月25回も巡回しているそうです。5年まには月1回で大根1本ぐらいしか売れていなかったのが、今では野菜が足りないほど売れているそうです。
追肥について:
冬に土づくりするなら何も要りません。
カヤや落ち葉だけ入れます。
腐葉土、ススキ、ぬか、竹チップをちょっとだけ入れてもいいです(三浦さん)。
乳酸発酵させて、微生物が育つ環境にして使います。
プランタの場合、酢を100倍の水で薄めた酢水をかけます。土が硬くならないように何か植えたら一週間後に水をやります(自然界では雨はすぐには降りません)。
ビニールマルチは土の中に残ってしまうと作物の生育を悪くするので、できれば草マルチがおすすめです。保温、保湿、防虫効果、栄養のためにも。
コンポストについて:
窒素・リン酸・カリのうち、窒素が多すぎると虫がやってきます。
4~5年かけて有機物を分解するので、乾燥させながらつくります。半年というのは少なすぎ。
冬野菜・露地物野菜について:
秋の収穫後は冬越しできる野菜を選びます。
一般的には、じゃがいも、玉ねぎ、ニンジンを植えます。
キャベツは秋蒔きで4月にギリギリ採れています。
ハウスで12月に植えた新じゃがは4月に出荷できます。
ゴボウはは9月に植えると春に向けて伸びます。
以上で、講演会のメモを終了します。
まだまだ聴き続けていたい講演会でしたが、セミナールームの貸し切り時間終了となりました。
以下、ひとりごとです。
私が生まれた頃はまだ自然農や有機が当たり前でした。食料自給率もほぼ100%でした。親の実家が兼業か専業農家で、米や野菜はもらったものを食べるというのもありふれていました。
それが今、土も水も人間の体も、環境全体を壊してしまう農薬・化学肥料漬けの大量生産農業が一世風靡してしまい、取り返しのつかないことが起こり続けています。しかも、大量とか集約とはいうものの、実際に調べたら、農業は小規模ほど効率がいいこともわかってきています。本当は儲かってないんです。アメリカをはじめ各国の大規模農家も補助金漬けです。
土は傷めつけられるし、連作はできないし、農業機器はメンテが必要だし、使い終わったら産業廃棄物になるし、新型の機械を売りつけられるし…。その始末をするのは高価なオーガニックを買えない一般消費者であり農業従事者であり、産廃業者です。結局、自然の偉大さには敵わないんです。
これだけ自然に帰ろうとする人が急増している中で、未だに70~80年代のキャッチフレーズみたいに、「儲かる農業をする」といって、アメリカ型の集約化を目指すとか米ポチ安倍政権は言ってますが、安心で美味しい作物を地産地消して自給率を上げるほうがよっぽど重要なときに、何が「競争力」でしょうか。経済が成長しなければ困るのは、投資で食べている人たちだけです。経済も環境も存続することのほうがずっと重要です。競争など不要。カネで測る経済規模の「成長」など不要です。
農薬や化学肥料を使わず育てた作物のおいしさを知っていれば、そしてそれを失う日がきてしまえば、どれほど大事なものを失ったかがわかります。
今、これを書いている5月はどんどん絹さやが採れる頃で、東京に住んでいた頃にも毎年、父が無農薬で作った絹さややスナップエンドウが大量に送られて来ていました。最初の頃苦手だったトマトやナスやホウレンソウも、だんだん形がいいのが送られてくるようになりました。玉ねぎは実家では年中、台所の外に吊り下げてあったので、買う必要はありませんでした。
最初は有り難みがよくわかっていなかったのですが、年々、スーパーで同じ野菜を買うと、味の濃さが全然違うことに気づくようになってきていました。
2012年、父が短い闘病生活のあとに亡くなったときには、猛暑の頃だったために、たった1ヵ月ほどの間に誰も行けなかった畑は手がつけられないほど草ぼうぼうになっていました。なんとか耕して引き継ごうとしたのですが、結局翌年、好意で農地を貸してくださっていた農家に返却することになりました。たくさんミミズが住んでいる土でした。立派なサツマイモやじゃがいもがたくさん出てきました。
わずかな間でしたが、汗を流しながら土と戯れるのは至福でした。40年もの間、父はそんな時間を暮らしの中に持っていたんだと今さらながらに思いました。前半20年はサラリーマン生活を送りながら、家一軒分ぐらいの農地をよく一人で維持したものだと驚きました。
今は直売所が近くにあり、一般スーパーより新鮮な野菜を売っていますが、やっぱり葉物野菜や絹さや、インゲン、ホウレンソウなどは、味が違います。父が作っていた野菜ほど美味しくないんです。
キャベツは買ったものや、父の畑の隣の畑で転がっていたものしかほとんど食べたことはないですが、ネオニコチノイドがたっぷりなので、あまり買わなくなったし、買っても重曹水で洗う手間をかけなければ使えません。(私は大量にキャベツを食べる習慣があったので、不眠症の一番の原因はネオニコかもしれないと思っています。)
はやく自分の農地を手に入れて、自分が食べる米や野菜を作るような生活を築きたいと思います。(ほとんど食欲からです(笑)。)
そして、日本のあちこちで自然農が復活して、どこに行っても美味しい野菜が食べられる日が来てほしいと思います。
岡本よりたかさん、三浦伸章さん、そして主催者の今井基樹さん、竹岡正行氏(就農6年目の若手農家)、石田尚子さん(自然栽培5年目主婦)。司会は主催者の今井真理子さんです。
講演会メモから、後で読んで意味がわかるところをとりあえず書き留めておきます。
就農について:
まず、新規就農、つまり農地を所有して地域の一員となることは色々大変だというお話でした。特に一般的な農業をやっている地域に自然農家として入ることの大変さも伴います。
手に入れた畑は集落の風景に影響することになるので、集落の意向に合わせることが必要になってくるとのこと。
地域ごとに違うけれど、農業委員会があって、村の人たちに認めてもらうために3年間消防団に入るという要求があったりするそうで、岡本よりたかさんも入ってるとのことでした。
また、作物は知ってる人に売るとなんとかなるものの、市場で売ろうとすると二束三文でたたき売り状態になるので、ネット通販などを使うことが必要。自然農家の場合、たとえ会員であっても農協は買ってくれません。
土づくりについて:
土の状態は「肥毒」を解消して微生物バランスがよくクリーンな土を作ることが必要です。
たとえば牛糞を春と秋に10年ぐらいやっていると、カリが残ってしまいます。そういう場合は、えんどう(または根の長いライ麦や大麦)を植えて、植物に吸ってもらうしかないとのこと。雑草は吸えないんだそうです。そもそも栄養が要らないのが雑草なので。
「ヤバそうな土」というのは肥料が入っていると臭いでわかるそうです。
また、化学肥料ばっかり使っていると、同じ雑草ばかりが生えていて、状態がよくないとか。岡本さんのスライドにマメ科の雑草が多い、いい土の写真が出てきましたが、いろんな雑草が生えていると土の中のバランスがよくなってきているそうです。
牛糞の何が悪いかというと、本来牛は草を食べて血肉にするために4つも胃があるのに、今の牛は本来食べたことのないトウモロコシや、遺伝子組み換え作物などを食べさせられています。
また、下には草はなくチップを敷いています。現代の牛糞は最悪の状態で、化学肥料同様に微生物が死んでしまうそうです。鶏糞も同じだとか。
このあたりのことは、MOA自然農法ガイドラインの実践のあり方に出てきます。
食は国家なり! |
他にも「図解でよくわかる土壌微生物のきほん: 土の中のしくみから、土づくり、家庭菜園での利用法まで」という、もっとダイレクトな見出しの本がみつかりましたが、7月7日の発売待ちです。
「育苗(いくびょう)」の土について…。
(これは土づくりについての前記事をご参照ください。)
本葉が生えてきたら味が決まります。
キュウリなどは水が好きで、リン酸・カリウムなどを入れておくと通常は一枚の葉で5本ぐらい成ります。 (←このあたりメモに自信ありませんw)
耕作について:
不耕起農法についてですが、家庭菜園は不耕起のほうがやりやすいとのことです。
ここで、福岡正信さんの話が参照として出ました。
一番読まれているこの本のことかもしれません。
自然農法 わら一本の革命 |
トラクターを使って、そのまま耕そうとすると、刃の下は叩きつけられて硬くなってしまうそうですが、三浦さんによると、刃の角度を変えて、空気が入るようにすると、二層に分かれずうまく天地返しみたいになるそうです。
「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村秋則さんの場合、ボコボコにしてから上だけ浅く細かくするという方法を使われているとか。
なお、春先に野菜をつくる時には土返しをします。
ひたすら作付けしたほうが、土は元気よくなり、休ませると力がなくなってくるそうです。
例えば、キュウリ→エンドウ→キュウリ→エンドウ…というように、次々植えていきます。
三浦さんのスライドに石と石の間に苔がむしている写真がありましたが、土が裸になると草が生え、直射日光を防ごうとするのが自然の摂理だとか。
タネを蒔くタイミングは1週間しかありません。
耕してすぐに蒔くと、酸素が入りすぎるので、1週間おくようにします。そのとき、一度しっかり踏んでおくことが大事です。(ちょっと叩くだけではダメ。)
また、畝が嫌いな植物もあります。小松菜などは固い土のほうが好きです。
自然はほとんど埋めないので、ばら撒くだけの農法もあります。
カボチャは生ゴミみたいな環境が好きで、粉砕した土(?)といっしょならばら撒くだけでもいいかもしれません。
農業収入について:
農業を職業とする場合ですが、なかなか農業の収入だけでは大変で、岡本よりたかさんは最初は「4年間食えなかった」そうです。東京でパン屋さんを持って、そのために小麦農家になったとのこと(岡本さんは他にも色々職業があるわけですが…)。座談会参加者の竹岡さんの場合、農業開始して4年めでやっと年収200万ぐらいになったとのこと。
まずは生活費分をめざす。また、顔が繋がってきたら売れるとのこと。
三浦さんによると、静岡ではオーガニックマーケットでセミナーを開くときに作物を食べてもらってクチコミで売上が増えているそうです。有機から自然農になってさらに伸びているとか。
また、ラララプラネットという移動販売があって、今では月25回も巡回しているそうです。5年まには月1回で大根1本ぐらいしか売れていなかったのが、今では野菜が足りないほど売れているそうです。
追肥について:
冬に土づくりするなら何も要りません。
カヤや落ち葉だけ入れます。
腐葉土、ススキ、ぬか、竹チップをちょっとだけ入れてもいいです(三浦さん)。
乳酸発酵させて、微生物が育つ環境にして使います。
プランタの場合、酢を100倍の水で薄めた酢水をかけます。土が硬くならないように何か植えたら一週間後に水をやります(自然界では雨はすぐには降りません)。
ビニールマルチは土の中に残ってしまうと作物の生育を悪くするので、できれば草マルチがおすすめです。保温、保湿、防虫効果、栄養のためにも。
コンポストについて:
窒素・リン酸・カリのうち、窒素が多すぎると虫がやってきます。
4~5年かけて有機物を分解するので、乾燥させながらつくります。半年というのは少なすぎ。
冬野菜・露地物野菜について:
秋の収穫後は冬越しできる野菜を選びます。
一般的には、じゃがいも、玉ねぎ、ニンジンを植えます。
キャベツは秋蒔きで4月にギリギリ採れています。
ハウスで12月に植えた新じゃがは4月に出荷できます。
ゴボウはは9月に植えると春に向けて伸びます。
以上で、講演会のメモを終了します。
まだまだ聴き続けていたい講演会でしたが、セミナールームの貸し切り時間終了となりました。
以下、ひとりごとです。
私が生まれた頃はまだ自然農や有機が当たり前でした。食料自給率もほぼ100%でした。親の実家が兼業か専業農家で、米や野菜はもらったものを食べるというのもありふれていました。
それが今、土も水も人間の体も、環境全体を壊してしまう農薬・化学肥料漬けの大量生産農業が一世風靡してしまい、取り返しのつかないことが起こり続けています。しかも、大量とか集約とはいうものの、実際に調べたら、農業は小規模ほど効率がいいこともわかってきています。本当は儲かってないんです。アメリカをはじめ各国の大規模農家も補助金漬けです。
土は傷めつけられるし、連作はできないし、農業機器はメンテが必要だし、使い終わったら産業廃棄物になるし、新型の機械を売りつけられるし…。その始末をするのは高価なオーガニックを買えない一般消費者であり農業従事者であり、産廃業者です。結局、自然の偉大さには敵わないんです。
これだけ自然に帰ろうとする人が急増している中で、未だに70~80年代のキャッチフレーズみたいに、「儲かる農業をする」といって、アメリカ型の集約化を目指すとか米ポチ安倍政権は言ってますが、安心で美味しい作物を地産地消して自給率を上げるほうがよっぽど重要なときに、何が「競争力」でしょうか。経済が成長しなければ困るのは、投資で食べている人たちだけです。経済も環境も存続することのほうがずっと重要です。競争など不要。カネで測る経済規模の「成長」など不要です。
農薬や化学肥料を使わず育てた作物のおいしさを知っていれば、そしてそれを失う日がきてしまえば、どれほど大事なものを失ったかがわかります。
今、これを書いている5月はどんどん絹さやが採れる頃で、東京に住んでいた頃にも毎年、父が無農薬で作った絹さややスナップエンドウが大量に送られて来ていました。最初の頃苦手だったトマトやナスやホウレンソウも、だんだん形がいいのが送られてくるようになりました。玉ねぎは実家では年中、台所の外に吊り下げてあったので、買う必要はありませんでした。
最初は有り難みがよくわかっていなかったのですが、年々、スーパーで同じ野菜を買うと、味の濃さが全然違うことに気づくようになってきていました。
2012年、父が短い闘病生活のあとに亡くなったときには、猛暑の頃だったために、たった1ヵ月ほどの間に誰も行けなかった畑は手がつけられないほど草ぼうぼうになっていました。なんとか耕して引き継ごうとしたのですが、結局翌年、好意で農地を貸してくださっていた農家に返却することになりました。たくさんミミズが住んでいる土でした。立派なサツマイモやじゃがいもがたくさん出てきました。
わずかな間でしたが、汗を流しながら土と戯れるのは至福でした。40年もの間、父はそんな時間を暮らしの中に持っていたんだと今さらながらに思いました。前半20年はサラリーマン生活を送りながら、家一軒分ぐらいの農地をよく一人で維持したものだと驚きました。
今は直売所が近くにあり、一般スーパーより新鮮な野菜を売っていますが、やっぱり葉物野菜や絹さや、インゲン、ホウレンソウなどは、味が違います。父が作っていた野菜ほど美味しくないんです。
キャベツは買ったものや、父の畑の隣の畑で転がっていたものしかほとんど食べたことはないですが、ネオニコチノイドがたっぷりなので、あまり買わなくなったし、買っても重曹水で洗う手間をかけなければ使えません。(私は大量にキャベツを食べる習慣があったので、不眠症の一番の原因はネオニコかもしれないと思っています。)
はやく自分の農地を手に入れて、自分が食べる米や野菜を作るような生活を築きたいと思います。(ほとんど食欲からです(笑)。)
そして、日本のあちこちで自然農が復活して、どこに行っても美味しい野菜が食べられる日が来てほしいと思います。
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